10月の読書記録~5冊・1713頁

14 11月

10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1713
ナイス数:139

夜の道標 (単行本)夜の道標 (単行本)感想
子どもの状況を元に指導する塾経営者が殺害された。人物を中心に思いや行動が描かれていく。2年間も警察の網をどうくぐり抜けていたのかは、わかっていく。日本社会の中で長い間、容認放置されてきた優生保護法が根底にあり、それが事件のきっかけになったようだ。それはわかりながら、別の真犯人がいてくれないものだろうかと願いながら読んでいた。彼と先生との間でどんなやり取りがあったのだろう。自分の利益のために他人に危害を加えるものもいる。日光東照宮の柱のように不完全なものを残しながらよい社会を目指せたらいいのだが。
読了日:10月06日 著者:芦沢 央
優しい死神の飼い方 (光文社文庫)優しい死神の飼い方 (光文社文庫)感想
ゴールデンレトリバーのレオと丘の上病院のホスピスの中で繰り広げられる、患者の抱える「未練」が「死神」レオによって救われていく。過去の事件の解決を交えながら、人が抱える苦悩が開放されていく様子に心が温まる。菜穂さんに愛されるレオとのやり取りが目に浮かんできて楽しかった。レオのような天使にいつでも救われたいものです。わたしもしゅうくりむをあげるから来てよ。
読了日:10月09日 著者:知念 実希人
笑いあり、しみじみあり シルバー川柳 丘を越えて編笑いあり、しみじみあり シルバー川柳 丘を越えて編感想
「会いたいな動画の中で育つ孫」新型コロナ感染拡大でいつまでも親族が会えない状況が上手く読まれている。スマホなどで動画を見ることができるシルバーにとっては、ありがたい世の中かもしれない。スマホがなければそれさえできない。「クラス会古希でもみんなちゃんで呼ぶ」これでまた若返ることができたね。川柳で笑って心もいつまでも若くありたいものです。
読了日:10月11日 著者:
震える天秤 (角川文庫)震える天秤 (角川文庫)感想
高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いで、店舗への飛び込み事故がよく報道される。ライター俊藤律が取材をしていく中で、次々に違和感を感じ真相へ近づいていく。追突されたコンビニ店舗オーナーがフランチャイズ契約での補償の問題に頭を抱えてたが、それより店長の死亡では?近くの村の独特の風習もこの事故に関わるのか?警察よりも細かな取材をする律の様子が良かった。またその元妻との電話でのやり取りが、別れても頼りになる存在で、読む者としてほっと気が休めてありがたかった。最後は律もよく決断したものだ。
読了日:10月19日 著者:染井 為人
此の世の果ての殺人此の世の果ての殺人感想
江戸川乱歩賞史上最年少23歳の作品ということで読む。2023.3.7に小惑星テロスが日本に衝突すると半年前に公表された。そんな中、自動車教習所に通い始めたハルと指導教官のイサガワ。自殺者の続出、そして殺害事件も。イサガワとハルたちは犯人を探していく。この世の終わりとなったときに私はどう行動するのだろうか。そんなことを考えながら、ハルたちと一緒になって、犯人を突き止めていく。意外な人間の本質が見えてしまうとともに、教習所に通い運転しようとするハルの頼もしさが伺えた。
読了日:10月28日 著者:荒木 あかね
読書メーター

8月の読書記録~12冊/4414頁

16 9月

8月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4414
ナイス数:218

新源氏物語(上) (新潮文庫)新源氏物語(上) (新潮文庫)感想
いつかは読んでみたいと思っていた源氏物語。朝ドラの「芋たこなんきん」から田辺聖子さんの本書を手にする。ひょっとして関西弁かも?と期待したが、そうでもなかった。それにしても2段組1178頁はすごく長いものだった。紫式部はよくこんな長編を書いたものだ。パソコンもないから書き直しなども大変だったろう。光源氏はプレイボーイ?くらいの認識でしかなかったが、なかなか誠実な人物だった。好きな女性がいても無理強いなどはしない。薫もそうだ。どちらももっと積極的に自分の思いをぶつけてもいいのにと、思うことも多かった。
読了日:08月11日 著者:田辺 聖子
新源氏物語(中) (新潮文庫)新源氏物語(中) (新潮文庫)感想
いつかは読んでみたいと思っていた源氏物語。朝ドラの「芋たこなんきん」から田辺聖子さんの本書を手にする。ひょっとして関西弁かも?と期待したが、そうでもなかった。それにしても2段組1178頁はすごく長いものだった。紫式部はよくこんな長編を書いたものだ。パソコンもないから書き直しなども大変だったろう。光源氏はプレイボーイ?くらいの認識でしかなかったが、なかなか誠実な人物だった。好きな女性がいても無理強いなどはしない。薫もそうだ。どちらももっと積極的に自分の思いをぶつけてもいいのにと、思うことも多かった。
読了日:08月11日 著者:田辺 聖子
新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下) (新潮文庫)新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下) (新潮文庫)感想
いつかは読んでみたいと思っていた源氏物語。朝ドラの「芋たこなんきん」から田辺聖子さんの本書を手にする。ひょっとして関西弁かも?と期待したが、そうでもなかった。それにしても2段組1178頁はすごく長いものだった。紫式部はよくこんな長編を書いたものだ。パソコンもないから書き直しなども大変だったろう。光源氏はプレイボーイ?くらいの認識でしかなかったが、なかなか誠実な人物だった。好きな女性がいても無理強いなどはしない。薫もそうだ。どちらももっと積極的に自分の思いをぶつけてもいいのにと、思うことも多かった。
読了日:08月11日 著者:田辺 聖子
新源氏物語(下) (新潮文庫)新源氏物語(下) (新潮文庫)感想
いつかは読んでみたいと思っていた源氏物語。朝ドラの「芋たこなんきん」から田辺聖子さんの本書を手にする。ひょっとして関西弁かも?と期待したが、そうでもなかった。それにしても2段組1178頁はすごく長いものだった。紫式部はよくこんな長編を書いたものだ。パソコンもないから書き直しなども大変だったろう。光源氏はプレイボーイ?くらいの認識でしかなかったが、なかなか誠実な人物だった。好きな女性がいても無理強いなどはしない。薫もそうだ。どちらももっと積極的に自分の思いをぶつけてもいいのにと、思うことも多かった。
読了日:08月11日 著者:田辺 聖子
奇跡集奇跡集感想
一両の電車内に乗り合わせた人たちが、それぞれに思いもしなかったことに導かれていく。それぞれ面白い物語だった。日常の生活の中でも、この物語ほどはっきりしたものはないかもしれないが、小さな小さな奇蹟とともに私たちは、それとは意識せずに過ごしてるのかも知れないのではと思いながら読んでいた。ふと目にしたことをきっかけに新たなことを思いついたり、人の親切に気づいたり、自分の良さを再認識したり。生活の中で、奇蹟を見つける楽しさを味わいたいものだ。
読了日:08月12日 著者:小野寺 史宜
墜落墜落感想
冨永検事の事件を見る目が鋭くて頼もしい。沖縄で起きた殺人事件。自白してるのに真相がありそうだと探っていく。AIを導入した戦闘機の事故。被害者・加害者の社会的地位がどうであるとか、政府や米軍が関わろうが、真相を探るため最善を尽くそうとする冨永検事の姿勢と行動力が素晴らしい。それにしても米国から購入させられた戦闘機の内部にもブラックボックスがあり、製造元しか手を出せないとか、事故が起こっても日本国内で最後まで調査ができず、政治判断の事故報告書は酷い!読んでよかった。
読了日:08月15日 著者:真山 仁
奇跡のミシン 天国の声、届けます奇跡のミシン 天国の声、届けます感想
死者の霊が、家族への思いを伝えようとする話はかつて読んだことがある。でもこれは、パターンナーのみどりが、出会った不思議な話。遺品をリメイクしているとミシンから、声が聞こえてくる。リメイクを依頼した人の思いや、亡くなった人の言葉を受けて、ミシンを踏み、みどりがその思いをリメイクに生かし完成させていく。依頼者の言葉と亡くなった人との思いのズレもあったり。依頼者や遺品の元所有者の思いに胸を打たれた。みどりがなぜ幼少期に父と離れたのか、父母の本当の思いはどうだったのか。みどりの機転で真実が見えてくる感動作だった。
読了日:08月17日 著者:清水 有生
ちはやふる(17) (BE LOVE KC)ちはやふる(17) (BE LOVE KC)感想
「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」の歌がカバーに記されていた。新がA級で、太一がB級で優勝したが、綾瀬はかるたしか眼中にないのかね。指の手術から早く回復することを願ってます。かるた部員もこんな厳しいトレーニングするんだね。
読了日:08月18日 著者:末次 由紀
ちはやふる(18) (BE LOVE KC)ちはやふる(18) (BE LOVE KC)感想
「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ」。藤崎の合宿で身につけた力が、全国の実力者が集まる吉野会大会で発揮されてきているような千早!「個人戦は団体戦」各試合で勝っても負けても、相手を疲弊させることにより、味方の誰かを助けるということか。
読了日:08月19日 著者:末次 由紀
空をこえて七星のかなた空をこえて七星のかなた感想
「箱庭に降る星は」の生徒副会長の仕事っぷり指導力、推理力が素晴らしかった。多分副会長としか出てなかったかと思う。7つの短編として読んでいたのだが、星つながりだけでなく人物もつながっているようだ。「星は、すばる」はぞっとするような事故が起きてしまうが、加害者のコータの行動に感心する。親の指導もだがコータ自身がやっていくのだから凄い。こんな子どもばかりならいい世の中になるだろうに。「木星荘ー」のセキュリティの凄さに感心、いいねえこんなセキュリティ!。
読了日:08月24日 著者:加納 朋子
「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた 「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた 「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る感想
猫が逆さに落ちても地上に足から着地するというのは知っていたが、その仕組みについて長い長い間、一流の学者たちの間で考察されていたなんて初めて知った。本書はその解明(完全にはできていないのだろうが)にとどまらず、物理学、宇宙工学、数学、写真撮影、生理学、ロボット工学等々、様々な分野の発展史のようでもあった。細かな難しいことは十分には理解できないが、そんな分野にも関係しているんだ、ということはわかった。猫の回転を正しく知るために、いらろんな科学が発展してきたようでもあり、面白く読めた。
読了日:08月27日 著者:グレゴリー・J・グバー
死神と天使の円舞曲死神と天使の円舞曲感想
黒猫のクロとゴールデンリトリバーのレオが、亡くなった人の未練を残された人へ伝える能力を持つという物語。美穂さんがなぜ急に気持ちを変えたのか不思議だった。大河も苦しかっただろう。理由もわからず起こる出来事に、クロとレオが仲立ちをしながら物語が解明されていく。死神プルートとその取り巻きたちの計画がこんなふうに行われるとは。クロとレオがよく戦ったものだ。大河も真実がわかり、愛する者と一緒に過ごせることになってよかった。クロとレオもこれからもよろしく。我が家の猫も黒みたいにならないかな?
読了日:08月30日 著者:知念 実希人
読書メーター

7月の読書記録~7冊・1660頁

16 9月

7月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1660
ナイス数:145

香君 下 遥かな道 (文春e-book)香君 下 遥かな道 (文春e-book)感想
面白い!「救いの稲」を利用した帝国支配。害虫に強いはずなのに害虫がつき、さらにその害虫のみならず稲まで食べるバッタ。物語はどんどん面白くなった。香りから作物の悲鳴を感じることのできるアイシャが、香君の地位を受継ぐ決断をした。アイシャはその地位による権力を行使するのではなく、土地や作物の香りをかぎ、何が必要なのか、人々は何を求めているのかを、感じながら世の中に貢献しようとしている。作物もそれだけで育つのではなく、自然や虫やあらゆるものに頼りながら実っていく。人もそうでありたい、と教えられた。
読了日:07月06日 著者:上橋 菜穂子
逆転のアリバイ 刑事花房京子逆転のアリバイ 刑事花房京子感想
主人公の花房が登場するのは、3分の1ほど進んだところ。殺人事件は早い段階で起きるのに。こういう展開は初めて。花房が証拠の品から関係者からの意見を「なるほど」と納得しながら聞いているようで、そこから別の可能性を探っていく。どのように証拠固めをしていくのか、興味を持ちながら最後まで読むことができた。誰が犯人なのか想像しながらもいいが、こういうスタイルもなかなかいいものだ。
読了日:07月09日 著者:香納 諒一
渚の螢火渚の螢火感想
沖縄本土復帰前を舞台にした100万ドル強奪事件。沖縄戦前後の島民・日本兵・米兵、沖縄で起きていた米軍兵士などによる婦女暴行・殺人事件、沖縄とその周辺の島々、さらには本土との人々の関係、沖縄警察と本土の警察組織。今までよく知らないままでいた沖縄のことを少しわかったような気がする。それにしても人が人を差別する、下に見下すことで理不尽なことをやってしまったり、その仕返しをすることに憤りを感じる。光らない蛍のほうが多いという。目立たなくても平和に生きたい。
読了日:07月14日 著者:坂上 泉
ちはやふる(16) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(16) (BE・LOVEコミックス)感想
団体優勝したものの、指の怪我。千早にとっては不利な個人戦。ても、左手で勝負を挑んでいく千早の強さ。さらには札の並びを左右逆にして、反応を良くしようと工夫するのもいいね。詩暢との対戦でも、全力で戦ってくれた相手に感謝するなんて、なかなかできない。新の両親の勝負への祈りに笑ってしまった。
読了日:07月15日 著者:末次由紀
にげてさがしてにげてさがして感想
世の中にいろんな人がいる。悪い人もいればいい人も。悪い人からは逃げればいいと。逃げるために足があり、いい人を見つけるために足があると。いい人がすぐに見つからなくても、いつか。本や映画の中かもしれないというのもいいね。子供が読んても大人が読んでもいい本だ。
読了日:07月23日 著者:ヨシタケシンスケ
タイムマシンに乗れないぼくたち (文春e-book)タイムマシンに乗れないぼくたち (文春e-book)感想
7短編。自分の存在が他の人の中でどう思われているのか。どう思われたいのか。そんなこと関係なく過ごしたいのか、いやいや、他の人と関わりながら楽しく生きたいのか。そんなことを思いながら読み終えた。「夢の女」に出てくる草介は、幸せだったのだろうか。密かにパソコン内に、空想の物語を描いていた。妻にもっともっといろんな思いを語ったら良かったのにと思ってしまう。他の人と関わらなくとも、自分で幸せな生活を送ることもできるはず。でも近くに共有できる人がいればさらに幸せは膨らむ。
読了日:07月25日 著者:寺地 はるな
夜に星を放つ (文春e-book)夜に星を放つ (文春e-book)感想
直木賞受賞作。5短編。 「湿りの海」とは月の大きなクレーターにくっつくように小さなクレーターがある部分だとか。バツイチの沢渡の隣に越してきた母子に、別れた妻子が重なって愛おしくなる。「星の隨に」の想は新しい母や弟を好きだと言い切る健気さだ。でも母には会いたいと。離婚しても子どもにとっては親子なんだ。佐喜子さんのような人がいてくれてよかったのに。「真珠星スピカ」て佐倉にこっくりさんをさせた瀧澤へのしっぺ返しは小気味よかった。こっくりさんのメッセージ?、佐倉の行動?、どちらにしても強烈。
読了日:07月31日 著者:窪 美澄

読書メーター

6月の読書記録~読書メーターより

16 9月

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1953ページ
ナイス数:459ナイス

コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)感想
たそがれ堂が近くにあったら私の前に何が出てくるのだろうか。強く願っている人だけに現れるコンビニたそがれ堂が近くにあってくれたらいいなと思うと同時に、私の目にも見えるだろうかとも考えてしまう。短編の登場人物の願いは心の底から強く願っていたものだ。どの話もとてもよかった。「桜の声」「あんず」。猫を飼っているかも知れないが、「あんず」の気持ちがよく描かれていて、ちょっと切なくもあったが心が温かくなった。「teenに贈る文学」の表示が必要なのか。私は6「teen」?
読了日:6月29日 著者:村山早紀
アンと青春アンと青春感想
デパートの食品売り場を舞台にしながら、その中での人間模様が描かれていた。デパ地下の効果にはそんなこともあるのだと頷くこともあった。和菓子にまつわる言葉や和菓子そのものから物語が進められたりで、初めて出会う言葉だったり、描かれている和菓子の美味しさに惹かれてしまった。ひとつの和菓子に込められる職人の思いを少し感じることができた。
読了日:6月28日 著者:坂木司
ハチドリのひとしずく いま、私にできることハチドリのひとしずく いま、私にできること感想
TVドラマ「朝が来た」主題歌を歌うフランスのZAZが「オン・ザ・ロード」のCD,DVDで「ハチドリのひとしずく」を語っていた。自分もそんなふうになりたいと。それでこの本を借りた。ハチドリのクリキンディの話はごくわずか。山火事を消すためにハチドリが何度も川からくちばしで掬った水を一滴ずつ落としていく。わずかな話だが描かれるところは世界全体に及び多くの人を動かしている。各国の人々の環境を守る取り組みに感動する。いい話に出会えた。私にもできることをしてひとしずくの「ポトリ」を落としたい。
読了日:6月26日 著者:
てのひらのメモてのひらのメモ感想
妻の好きな作家。裁判員についての小説と聞き、妻の後読む。裁判の流れが検察官、弁護士、証人の言葉と、裁判官と裁判員との評議の場面で構成され、あたかも自分も補充裁判員かのような臨場感を受ける。この中で裁判長が裁判員に「乗り降り自由です。裁判官もそうなのです」という言葉は印象的だった。最終判断までは人の意見で有罪や無罪に自由に乗り降りできるという。裁判官のように私たちも日常の物事を決めるのでさえこれでいいのだと思った。「てのひらのメモ」「抹茶アイス」思いつきも大切にしたいものです。
読了日:6月19日 著者:夏樹静子
ユートピアユートピア感想
ユートピアって聞いただけで行ってみたくなる。ここに集まった人たちも自分の夢を花咲かそうとしていていたはず。お互いのため、この街に活気を起こそうとしていたはず。人のためを思ってしていたはずが、どこからかずれていく。疑心暗鬼が深まり、悪い方に転がる。人の心って、やはりころころと変わってしまうものなんだろう。ユートピアって、やはりどこかの場所にあるのではなく、人々の心の中につくられるものかもしれない。最後まで読ませてくれる。ユートピアを、か・な・え・て。
読了日:6月11日 著者:湊かなえ
死んでいない者死んでいない者感想
タイトルを見てこれは「死んでいない、者」?「死んで、いない者」?どっちだろうなどと思いながら読み始める。人は誰でも平等に死ぬことができる。でも死んだ時に縁者がどう関わるかは、それぞれ異なっているだろう。この中では子ども、孫など多くの人たちによって個人のことが語られている。そのことによって自分自身を振り返ったり。死をきっかけに過去のことが蘇り生き生きと語られる。あたかもそこに生きているように。多くの縁者の心に生きていた。
読了日:6月7日 著者:滝口悠生
また、同じ夢を見ていたまた、同じ夢を見ていた感想
衝撃的な前作からの2作目。自分のことを賢いという小学生の小柳奈ノ花はどんな大人になっていくのかと、気になりながら読む。人生とはの後に出てくる言葉が当たっていてなんとも面白い。途中に「夢」と出てきたから、これかと思っているとそう単純ではなかった。最後まで読ませてくれた。人生とは、幸せとは。小学生でどんな答えを出してくるのかと興味を募らせてくれた。登場人物もユニークで、学校で起こるいじめ問題への対処にも通じる読み応えする内容だった。私も「また、同じ夢を見ていた」気分になってしまった。
読了日:6月4日 著者:住野よる
読書メーター

5月の読書記録。「蔦屋」が面白かった!

16 9月

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3116ページ
ナイス数:356ナイス

居酒屋ぼったくり居酒屋ぼったくり感想
いいですね、このお店の名前、「ぼったくり」。タイトルを見た時にはどんなに恐ろしい店なのだろうと思った。だが名前の由来などがわかり、店の女主人美音。この巻末になってやっと美音の由来もわかってくるが、なるほどである。各章ごとに出てくる料理を作る様子から美味しい音が聞こえてきそうで、カウンターで一緒に食べたり飲んだりしたくなってしまいます。時々訪れていた男性客の様子も次第にわかってきて、この居酒屋の物語の要になっていきそうな予感さえしてきます。また次の巻も読みたいものです。
読了日:5月28日 著者:秋川滝美
ごはんぐるりごはんぐるり感想
読書メーターのある人の感想の中にこの本のことを、三浦しをんさんに劣らないエッセーの面白さというふうに書いてあった。かつて読んだ「ふくわらい」「サラバ!」などからすると、「へーそうなの?」と半分疑りながら手にした。私にとってはしをんさんのエッセーほどお腹を抱えて笑うということはなかったが、なかなかどうして西さんも強者だ!西加奈子さんの今までのイメージを大きく変えてくれる1冊であった。ラーメン・うどんの作法、軽井沢の蕎麦屋に友達と行く時の車中での作法、なかなか真似できません。参りました!
読了日:5月25日 著者:西加奈子
11文字の殺人 (光文社文庫)11文字の殺人 (光文社文庫)感想
タイトルはいつ出てくるのかとずっと気になっていた。終わりの方になってやっとタイトルに関わる言葉が出てきた。ミステリーだから犯人は予想を超えるものということはわかっていながらも、予想は次々に裏切られていく。これが面白さなんだろうね。推理作家の主人公もなかなか犯人確定まで時間がかかったのだから、その作家を翻弄させる東野という作家もすごいものだ。
読了日:5月23日 著者:東野圭吾
あうんの花あうんの花感想
坂村真民さんの心の詩にそれぞれに合わせて絵が描かれている。「闇と苦」では「闇を生かせ/苦を生かせ」と。苦しみを無くしたいと思いがちだが、生かせというのがいいですね。また「いつもいっしょ」からは、人間はもちろん森羅万象がいつもいっしょに生き、息をしてると。一人のようでも一人ではないんだと。花や鳥、木や石も友とすると寂しさもなくなる。「心を結ぶものは愛」見方考え方をちょっと変えると心も豊かになれそう。
読了日:5月19日 著者:坂村真民
王妃の館〈下〉王妃の館〈下〉感想
とんでもない事態になるんではないかと心配していたポジとネガのツアー。案の定ことごとくバレてしまったがなんと意外な方向に。苦悩を抱えて最後の旅でもあった人たちにも太陽の恵みか。いやいや自らが明るく生きようとした結果なんだろう。ヴェルサイユ宮殿や絶対王政で知られるルイ14世が建てた王妃の館へのツアーと作品内で描かれる大作家右京さんのプチ・ルイと14世の親子の情との物語とのギャップもあり、面白く読んだ。「どんなに苦しくても笑って生きろ」という元夜間高校の先生の言葉と太陽王が印象に残る。
読了日:5月19日 著者:浅田次郎
王妃の館〈上〉王妃の館〈上〉感想
映画化と聞きまた浅田次郎ということで読む。光ツアーと影ツアーなんてよく思いついたものだ。ツアーの行方が気になる。ニアミスも生じ始めるし、添乗員の綱渡り的な計画が面白い。後半になって太陽王が登場してこれまた面白さを倍加させてくれる。コマンタレ・ブー!だって?そんなのありなんて思ってたら、「幸福と不幸は神様がコントロールしてるわけじゃないわ。人間が選んでいるわけでもない。ひとりひとりが、幸か不幸かを勝手に決めているだけ」などと玲子の言葉が人生を考えさせてくれる。浅田次郎さん、いいですね。
読了日:5月17日 著者:浅田次郎
蔦屋蔦屋感想
面白かった。TSUTAYAの名前の由来にもなっている蔦屋とは、この小説で初めて知った。江戸時代寛政の改革で出版もかなり厳しく統制された中を生き抜いた蔦屋重三郎が生き生きと描かれている。歌麿、山東京伝、写楽などを世に送り出した人物でもあることも知ることができた。松平定信の出版規制の中でもなんとか人々の求めるものを出版し続けようと処罰を受け身代が半ぶんに成ってもやり続けようとした姿に心打たれた。大芝居にはホッとしたが、形あるものでなくとも重三郎に大きな影響を与えたという小兵衛の生き方も素敵だった。
読了日:5月13日 著者:谷津矢車
有機栽培の野菜つくり―炭水化物優先、ミネラル優先の育て方 (小祝政明の実践講座)有機栽培の野菜つくり―炭水化物優先、ミネラル優先の育て方 (小祝政明の実践講座)感想
野菜のタイプにより肥料の施し方などに違いがあること、ミネラルの大切さなどが説明されていた。今まで農業や野菜作りなど、ましてや肥料などにあまり関心を持っていなかったので、サラッと読んだだけでは身につかない。手元においたほうが良さそうだが。少しずつ勉強をさせてもらおう。
読了日:5月11日 著者:小祝政明
さよならの手口 (文春文庫)さよならの手口 (文春文庫)感想
探偵を廃業したと言いつつまたまた探偵の仕事に精を出す葉村晶。時々ずっこけながらも次々に事件の匂いを呼び寄せてくる。それらが匂いで終わらずに次第に結びついていく。ミステリー書店の店員ということもありミステリーの好きな人にはいろんな作品名も登場してくるので楽しみなのではないでしょうか。捜索人が意外な所から出てきて、最後はあっという結末。次回は書店の上からの活躍になるのかな?親子の絆は大切にしたいね。探偵業に届けがいると脅されながらそんな簡単に取得できるものだったとは。
読了日:5月9日 著者:若竹七海
屍者の帝国屍者の帝国感想
タイトルとその謳い文句に乗って借りて読む。どんな恐ろしい帝国なのかと思ったが、私の情報処理能力を遥かに超えていて理解不能。ワトソン博士、フライデー、フランケンシュタイン、カラマーゾフ、寺島宗則、バトラーなど、実在や小説主人公など多数登場するが自分の解析計算力では覚束ない。作者の脳内にはどんなチップが埋め込まれているのだろうか。日本では各地で人口減少ストップの掛け声が上がっているが、屍者の脳にチップを埋め込み活かせたら人口は増えるがどんな世界になるだろう?考えるだけでゾッとする。
読了日:5月1日 著者:伊藤計劃,円城塔

読書メーター

3月の読書記録~19冊・5144頁~読書メーター登録

4 4月

3月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:5144
ナイス数:367

戒名探偵 卒塔婆くん (角川文庫)戒名探偵 卒塔婆くん (角川文庫)感想
図書館で、こんな変わった探偵がいるのかと、思わず手に取る。卒塔婆くんが各話大活躍。お寺やお墓についての歴史的なことも描かれていて、なかなか楽しく読むことができた。その中でも本書の半分を占めていた「いまだ冬を見ず」は、戦争から戻ってきてからの男の成功を卒塔婆くんが、読み解くという、何とも読み応えのある作品だった。
読了日:03月02日 著者:高殿 円

残月記残月記感想
本屋大賞ノミネート10作の最後として読む。3篇が収められている。「そして月がふりかえる」は思いがけない展開で面白かった。もし自分の身にそんな状況が訪れたらと思うとぞっとする。「残月記」は感染症「月昂」に感染した未来の日本。満月の日に闘技場での決闘、月の砂漠を泳ぐ月鯨など、読みきれなかった。が、独裁者への仕打ちはよくやったものだと喝采。やはり長期政権は悪害だ。宇野冬芽の瑠香への一途な思いは最後まで貫かれていてよかった。鏡の裏の世界、月の裏の世界に戸惑う。
読了日:03月05日 著者:小田雅久仁

二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ二十一時の渋谷で キネマトグラフィカ感想
吸収合併されようとしている老舗映画会社で、地味ではあるが確実に仕事をしている砂原江見の姿に惹かれる。周りの嫉妬やへつらいなどに惑わされず、自分の信じるやり方、そしてともに働く同僚の優れたところを活かしている。「会社のためではなく、自分のために働く」という言葉が力強い。会社や上司の方向と違っても、いま自分の置かれた立場でできる最善の道を探りながら、他の人の良さを活かしながら、仕事を成し遂げていく姿がよかった。
読了日:03月08日 著者:古内 一絵

老虎残夢老虎残夢感想
21年第67回江戸川乱歩賞ということで読む。選評では色々あったようだが、中国南宋時代、武人の達人とその弟子を中心としたミステリー。忍者のような技術を磨いている師弟の様子や、後半の死を巡る謎解きにも興味を惹かれた。中国の武芸もすごいものだ。人名などの読みにくさはあるものの、物語として読みやすくてよかった。武術を学ぶ者の掟、目指す目的、何を守り、何を打ち破ろうとするのか。いまロシアがウクライナ侵攻している中で、中国とキエフの繋がりにハッとなる。
読了日:03月13日 著者:桃野雑派

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)感想
最後まで面白かった。詐欺師にはこんなふうにかかってしまうんだと、他人事なら理解できるものの、自分もあっさり引っかかりそうだ。ヤミ金、取立て、資金回収業者と今でもうごめいていそうな感じがするが、追い込まれた側は恐怖以外にないのだろう。詐欺師が詐欺に引っかかって、あっぱれっとおもっていたら、そこからの展開も目が離せなかった。最後の最後まで、登場人物だけでなく、読者側まで詐欺に見事に引っ掛けられました。喝采!
読了日:03月15日 著者:道尾秀介

ちはやふる(6) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(6) (BE・LOVEコミックス)感想
「早く取るのをやめなさい」ってどういうことなのだろう。大会での空札とか、まだ読まれていない札とか、そこまで考えながら対戦しぃていく姿が凄すぎる。千早さん、勝てなくて残念。
読了日:03月15日 著者:末次由紀

ちはやふる(7) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(7) (BE・LOVEコミックス)感想
得意、長所の「速く取る」を封印して別の戦い方を身につけていく。頂点に立つためには幅広い能力がいるということだったのか。気を抜かずに最後まで全力を尽くす千早が注目を浴びていく!
読了日:03月15日 著者:末次由紀

夢見る帝国図書館 (文春e-book)夢見る帝国図書館 (文春e-book)感想
図書館を主人公にした小説を書きたいという喜和子さんを描きつつ、現在の国立国会図書館の明治以降の生い立ちが描かれていく。戦中戦後を生きた喜和子さんの人生も紆余曲折だったが、図書館の方も多くの文学者や一般の人に多くの夢を与えながら度重なる国内外の戦争、地震、空襲を乗り越えて歩んできた。戦争で予算が削減される中、蔵書を増やそう、蔵書を守ろうとしてきた職員の努力も伺えた。上野動物園の象の花子に絵本に描かれてない話があったとは。数字の暗号を考えるなど楽しみながら生きようとした喜和子さんがいいね。
読了日:03月16日 著者:中島 京子

ちはやふる(8) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(8) (BE・LOVEコミックス)感想
試合には圧倒的に勝つかと思ったのに。「モメユミ」め!どちらが先に触れたかは、対戦者だけでの判定なんだろうか?後の場面のテレビではリプレイもあるようだが、ビデオ判定は?負けながら強くなっていくんだね。
読了日:03月16日 著者:末次由紀

社史編纂室 アフター5魔術団社史編纂室 アフター5魔術団感想
「英雄たちの選択」で「初陣から連戦連敗も、不屈の精神発揮 “戦国最弱”小田氏治の乱世サバイバル人生に迫る」を見た。その武将の本を探すと、「令和版わたしの好きな戦国武将」で安藤祐介さんが、戦国最弱の小田氏治をあげていた。彼が描く小説を読んでみたくなっての最初の本。本作の中では会社の中で真面目に働いていたのに、上司によって「リストラ部屋」なる「社史編纂室」に送り込まれた玉木敏晴を描く。そこで出逢った人達との繋がりの中で、家庭や会社での真の生き甲斐を見つけていく。最後は感動。妻・恵のマジックには脅かされた。
読了日:03月19日 著者:安藤 祐介

就活ザムライの大誤算就活ザムライの大誤算感想
高校大学と就活を戦い抜こうとした蜂矢徹郎には、大誤算だった。だが本当の勝利?を得ることができたようだ。ゼミなどでの様子を見てると、実力はありそうだけど、てっちゃん大丈夫かなと思ってた。よくわからないおじさんの出現は衝撃的で、一方魅惑的だった。徹郎は大いに歯車を狂わせてしまったようだが、井端教授の「逸脱文化史」ゼミの仲間たちは、徹郎が気づかない徹郎の良さに気づいていた。他の者と違っていることを評価し認めあうことによって気づき、進路を開いていく。就活だけでなく人生の羅針盤的な小説。
読了日:03月24日 著者:安藤 祐介

あおのじかんあおのじかん感想
yuppiさんの紹介で手にする。青色の鳥その他の生き物の絵本。表紙のスミレサギに始まってどのページの生き物たちに本当に細やかな線ときれいな色によって描かれている。1ページいや一つの絵の制作に一体どのくらいの手をかけ時間をかけているのか想像もできない。初めて見かける生き物がほとんどだったが、特にコバルトヤドクガエルとかアオミノウミウシなどに驚いた。鳥の絵の繊細さには感嘆しかない。最後に分布図もあってよかった。
読了日:03月26日 著者:イザベル・シムレール

きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)感想
この絵本のハリネズミくん、かわいいね。でも夜になって、こぐまさんちを訪ねるのは心細かったね。はじめのうちはみみずくくんが愛想をしてくれて、楽しそうだったのに、霧が出てくると、ドキドキ。こぐまさんも心配してくれてたし、助けられてたどり着けたからヤレヤレ。
読了日:03月26日 著者:ユーリー ノルシュテイン,セルゲイ コズロフ

ボタニカボタニカ感想
素敵な本にまた出会えた。牧野富太郎の幼少の頃からの花へ寄せる思いの表現がみごと。また多くの書物で知識を吸収しながら、東京に出向いて、憧れの著者たちに接するシーンには、感動して胸が熱くなった。富太郎の植物探索にかける執念には驚く。最初の妻猶、次の壽衞さんもよく支え続けたものだ。収入の数千倍もの借金をしてまでも探求を続け、支えた周囲の人、更には負債を知って援助した資産家などの助力があってこそ、日本の植物体系化を築きえたのだ。学位などの名誉にもこだわらない牧野の凄さ。スエコザサの所では涙した。
読了日:03月28日 著者:朝井まかて

満月珈琲店の星詠み (文春文庫)満月珈琲店の星詠み (文春文庫)感想
満月珈琲店の猫と占星術の星詠みにより、次々と人の考えや歩みをいい方に導いていて、私も夢の中を過ごせた。占星術について無料サイトで自分のを初めてチェックもしてみた。これをきっかけに心の持ち方を変えて、「悲愴」のようにくじけず歩みたいものです。登場人物たちが皆、猫との関わりがあり、猫の恩返しで幸せになれてよかった。私のところにも満月珈琲店が来て、美味しいドリンクとスイーツを振る舞ってもらいたいな。
読了日:03月30日 著者:望月 麻衣

風のことば 空のことば ~語りかける辞典~風のことば 空のことば ~語りかける辞典~感想
あいうえお順の目次で長田弘さんの詩集に、いせひでこさんの柔らかい挿し絵。どの年代で読んでも幸せをいっぱい届けてもらえそうだ。「芯と心。似た字だけど、芯は、固くしっかりしているのがいい。心は、柔らかでしなやかなのがいい。」空、雲、雨、風、人や虫などの生き物などに対して、優しくそして鋭く指摘もしている詩集だ。「ぷーとふくれてきまずく」ならず、「梅干し」のように「年をとると、さらにおいしくな」りたいものだ。
読了日:03月31日 著者:長田 弘,いせ ひでこ

ことばの生まれる景色ことばの生まれる景色感想
40冊を超える本のTitleとその一節、そしてエッセー、それにnakabanさんの力強い絵。私が手にしたことのある本は、数冊しかなく、知らない世界は広いものだと感じるばかりだ。作者が「モモ」の章で書いている本屋の中でのお客さんとのふれあいの中で、本を選んでもらえるっていい感じですね。本の一節からイメージを膨らませて絵に仕上げるのすごいものだ。さて私はこれからどんな風景に巡り会えるかな、楽しみにしておこう。
読了日:03月31日 著者:辻山 良雄,nakaban

ちはやふる(9) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(9) (BE・LOVEコミックス)感想
新入生を何とか入れようとする千早の指導はちょっと強引かな。でも代替要員として部員を増やしたい気持ちはよくわかる。逃げ出した新入生の気持ちを汲みながら、フォローした奏は、見事。
読了日:03月31日 著者:末次由紀

ちはやふる(10) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(10) (BE・LOVEコミックス)感想
朋鳴高校の救世主の坪口のいう「一生懸命は楽しいぞ」は、どんなことをするにも有効な言葉ですね。準決勝中に隣の会場を偵察に行った花野菫の行動から今後の活躍が期待できそう。
読了日:03月31日 著者:末次由紀

読書メーター

2月の読書記録~18冊/4738頁

10 3月

2月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4738
ナイス数:368

六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本)六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本)感想
就活の最終段階の集団面接に臨む6人。就活生の大変さが伝わってくる。いや、それにしてもこの最終の集団面接のあり方はなんだ。学生にとっては自分を2倍にも3倍にもよく見せたい場面。それなのに。物語の展開が大きく動く。誰がこんな流れを作ったのか。全員沈没しそう。会社の面接官はどんな基準で選ぶのか。優秀なものが落とされ、他の場所で活躍するものもいる。「良い人材を取るには」「就活を突破するために」双方の戦略の中で、会社も学生も疲弊している。そんな今の社会への痛烈な小説のようだ。
読了日:02月02日 著者:浅倉 秋成


暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる暮らしの中の二十四節気 丁寧に生きてみる感想
表紙の帯のような装丁の中で「節気を詠んだ俳句を鑑賞しながら祖霊への思いを綴る珠玉エッセイ」とあるように、二十四節気、雑節、五節句、その他の伝統行事と項目が並ぶ。それぞれの季語に纏わる丁寧な俳句鑑賞とともに、伝統行事などが記されている。こんなにもいろんな行事があるのかと驚く。俳句の季語の多さにも圧倒されるがその語に含まれる意味、日本人の生活に、これからも少しづつ歩み寄りたいものだ。
読了日:02月04日 著者:黛まどか


五七五で毎日が変わる! 俳句入門五七五で毎日が変わる! 俳句入門感想
漫画で吟行している様子を描いていて、一緒に参加しているような感じがする。登場人物がそれぞれの作句してるのもいい。先生による添削も行われ、教室で学んでいるような雰囲気を感じながら読み進むことができた。
読了日:02月06日 著者:


夜が明ける夜が明ける感想
本屋大賞ノミネート作。2人の男の生き様。フィンランド俳優に似ているアキと自分のことを語る。上手く話せないアキが俳優に憧れ未来への明かりを見つける。自分はテレビ業界のADなどの下っ端として寝るまもなくもがく。どちらもどん底のような生活で唯一の救いは抱いた微かな明かりだったのだろう。傍らに陰に陽にそれとなく支えられていたのも、未来につながっていったのだろう。たった一言の言葉でも相手の大きな強い力になりうる。SNSの不特定多数の声に潰されるのではなく、信頼する声を力に生きる。抗いながら生き抜く物語。
読了日:02月08日 著者:西加奈子


葬送のフリーレン(4) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン(4) (少年サンデーコミックス)感想
「心の支えが必要なのは子供だけじゃない」
読了日:02月09日 著者:山田鐘人,アベツカサ


ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)感想
百人一首を知らなくても楽しく読めた。千早の成長が楽しみ。
読了日:02月11日 著者:末次由紀


ちはやふる(2) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(2) (BE・LOVEコミックス)感想
百人一首への情熱がすごい。
読了日:02月11日 著者:末次由紀


ちはやふる(3) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(3) (BE・LOVEコミックス)感想
かるた部への勧誘に向けてのエネルギーの強さがいい。
読了日:02月11日 著者:末次由紀


ちはやふる(4) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(4) (BE・LOVEコミックス)感想
全国大会出場、すごい!でもどうしてこんなことに
読了日:02月12日 著者:末次由紀


ちはやふる(5) (BE・LOVEコミックス)ちはやふる(5) (BE・LOVEコミックス)感想
クィーンとの対決で、大きな収穫があったね。相手の良いところから学べる千早は素晴らしい
読了日:02月12日 著者:末次由紀


正欲正欲感想
「どんなものを持ち合わせて生まれてきたとしても自分はこの星で生きていいんだと思いたい」「自分とは違う人が生きやすくなる世界とはつまり明日の自分が生きやすくなる世界でもある」という考えには共感できる。ただそれはすべての人にとって「生きやすく」「他人によって傷つけられない」ということが大前提ではないのだろうか。家族、社会、学校でお互いが尊重されないとためだと思う。どんな地位の人であろうが。
読了日:02月12日 著者:朝井リョウ


コロナ狂騒録【電子特典付き】コロナ狂騒録【電子特典付き】感想
新型コロナウイルスの感染が収まらない。本書を読むと新聞やテレビでは充分に伝わってこなかった様子も描かれていてよかった。政治家などの登場人物名は見事に変えてあるものの、顔が浮かんでくる。オリンピックやGotoイート、トラベルで多額の税金を使いながら、医療現場への手当は酷いものだ。また首都圏構想のもと府と市の合理化により医療や保健所が縮小され、医療逼迫を一層進めたという。PCR検査体制も整備されず、ITどころか未だにFaxに頼る行政に呆れた。騙されない目を持ちたいものです。
読了日:02月16日 著者:海堂尊


透明な螺旋透明な螺旋感想
透明な螺旋、凄いタイトルだ。その螺旋が透明に見えるのは湯川学だったのだろう。子どもができたが育てられない。苦しい生活の中で生きていく術を、人に助けられながらも切り開いていく。「本当のものなんか何もない。人間はみんなひとりぼっち」と中学2年のときに言った湯川も、一人ぼっちではないんだということが示された本書も、多くの感動シーンに接することができた。湯川の「もしもモノポールと出会えたなら」により多くの人と人が磁力によりくっついていきながら、絡んだ螺旋もほぐされた。
読了日:02月17日 著者:東野 圭吾


塞王の楯 (集英社文芸単行本)塞王の楯 (集英社文芸単行本)感想
戦国時代も終盤。大津城を巡る攻防。このような歴史物は武将の攻め方が中心となる。本書はそうではなく城の石垣などを作る穴太衆飛田屋が中心となる。それに対しての火縄銃から大筒を作っていった国友衆。守るか攻めるか。楯か矛か。石組みの様子などがよく描かれ、石垣で弾を跳ね返らすとか、大筒で撃たれても石垣を築いて天守を守り続けようとする、穴太衆に最後まで応援し続けた。民を守るためには、早く攻めきって安心をもたらすのか、守りきって民を守るのか。城主、穴太衆、国友衆それぞれの苦悩もよく伝わってきた。
読了日:02月22日 著者:今村翔吾


笑う漱石笑う漱石感想
漱石の2600句の中から、著者が気に入った28句が厳選され、絵が添えられている楽しい本。「叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉」「人に死し鶴に生まれて冴え返る」「菜の花の中に糞ひる飛脚哉」「曼珠沙華あつけらからんと道の端」「某は案山子にて候雀どの」「むつとして口を開かぬ桔梗かな」などのこんな俳句を詠んでいたんだと感動。何もきれいごとにすることもなく、見て感じて、詠んでいる。言葉の使い方はやはりとしか言いようがない。南伸坊さん、くすっと笑える絵を添えてくれてありがとう。
読了日:02月22日 著者:


おじいさんになったねおじいさんになったね感想
漱石の2600句の中から、著者が気に入った28句が厳選され、絵が添えられている楽しい本。「叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉」「人に死し鶴に生まれて冴え返る」「菜の花の中に糞ひる飛脚哉」「曼珠沙華あつけらからんと道の端」「某は案山子にて候雀どの」「むつとして口を開かぬ桔梗かな」などのこんな俳句を詠んでいたんだと感動。何もきれいごとにすることもなく、見て感じて、詠んでいる。言葉の使い方はやはりとしか言いようがない。南伸坊さん、くすっと笑える絵を添えてくれてありがとう。
読了日:02月24日 著者:南伸坊
パラソルでパラシュートパラソルでパラシュート感想
企業の受付をする美雨も、あと1年で契約が切れる。その後の計画も立てれない時、亨と出会った。まだ売れない芸人コンビ「安全ピン」の一人でバイトをしながら過ごす。芸人として売れてテレビに出ようとするか、売れなくても楽しく何とか生活していくか。多くの芸人の中でもいろんな考があるんだ。そんな亨たちと過ごす中で、美雨自身も自分の言葉で気持ちを出せていく。亨の演じる夏子に込めた思いも終盤に明らかになり、ちょっと切なくもあった。美雨と安全ピンが一緒にやるのも面白そうなのにと思いながら読み終える。
読了日:02月25日 著者:一穂ミチ


妻が椎茸だったころ (講談社文庫)妻が椎茸だったころ (講談社文庫)感想
変わったタイトル名だったので読んでみる。5短編集。「リズ・・・」の当事者が自分だったらパニックに陥っていまいそうだ。「妻が・・・」椎茸だった頃に戻りたいと言ってた妻はどんな思いをしてたのだろう。料理上手だったけど好きじゃなかった?こまめに書いていたレシピノートのコメントに惹かれてしまう。生前の妻の思いをたどることのできる泰平は寂しくなったけど幸せだね。いつまでも一緒に過ごせる。「・・・猿宿パラサイト」の石の光が気になる。「ハクビシン・・・」ハクビシンの恩返しだったのだろうか。(単行本です)
読了日:02月26日 著者:中島京子
読書メーター

1月の読書記録~15冊・4130頁

2 2月

1月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:4130
ナイス数:399

硝子の塔の殺人硝子の塔の殺人感想
本屋大賞ノミネート作。あっという間に殺人事件。名探偵や刑事もいて解決は時間の問題と思わせていたが、連続殺人?「名探偵」と医者「ワトソン君?」と絡みながら物語は進んでいく。ミステリー作品名も次々示され、好きな人にはたまらないのでは。いったい犯人は誰なのかどんどん読ませてくれる。どうやって殺害したのか?疑問は深まるばかり。残り100ページを残して終末?いやいや物語は更に展開される。踊る人形のような暗号、円錐形をした硝子の塔の隠された秘密、興味は尽きなかった。
読了日:01月31日 著者:知念 実希人
ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)感想
植物図鑑を読みすぎてバラバラになった本。ルリユールおじさんが直してくれる。フランスでは本の再生をしてくれる職人がいるということにも驚いた。ソフィーだけの1冊に生まれ変わった。街並み、人物、植物の絵などが素敵だ。400歳以上のアカシアの木。これは「大きな木のような人」にも描かれていた。この絵本から本への熱意や植物への熱意、それを描いて私たちに伝えてくださったいせひでこさんに、MERCI BEAUCOUPです。
読了日:01月30日 著者:いせ ひでこ
大きな木のような人 (講談社の創作絵本)大きな木のような人 (講談社の創作絵本)感想
公園の中で「あちこち」でスケッチする「さえら(さ・え・ら)」。しだいに植物や木について知るようになっていく。「人はみな心の中に、一本の木をもっている」そこは不思議がいっぱい。なにか知ると人に話したくなってくる。数百年も生きている木。人とは異なる時間の中で生きている凄さ。命をつなぐ方法の多様性。人は真似できないけど、そんな素晴らしさを広める力を持っている人の素晴らしさ。日本に戻ったさえらちゃんがまた広めてくれるだろう。私達のすぐそばにいるかもね。
読了日:01月30日 著者:いせ ひでこ
星を掬う星を掬う感想
千鶴の元夫の酷い仕打ちから始まり、読み続けるか少し躊躇う。本屋大賞ノミネート作でもあるし、町田さんの作品でもあるし、どんな星が掬えるのかを楽しみに読む。夫から逃げるきっかけとなったのは、千鶴のささやかな1歩から動き出した。辿り着いた先には千鶴の恨んでいた人が。一緒に暮らす人たちも華やかに見えても、それぞれに抱えている苦悩に接しながら、千鶴自身が少しづつ変わっていく。若年性アルツハイマー病の母から断片的な思い出が深い海から星を掬い上げられるようで、千鶴とともに胸が熱くなる
読了日:01月29日 著者:町田そのこ
ミス・パーフェクトが行く!ミス・パーフェクトが行く!感想
痛快!すっきり!ぜひ映像化してもらいたいものだ。総理の隠し子が優秀なキャリア・ウーマン。厚労省、ファミレス、航空会社、病院と課題を解決しながら、総理のバックアップまでやってるなんて、これほどすっきりする物語はない。時々麻雀をする様子は「ドクターX」みたいだが、主人公・真波莉子も「失敗しない」女性のようだ。最後、いい雰囲気になりかけてたのに、ミサイルが!栗林総理、しっかりしろ。コロナ禍の鬱憤が晴れた。
読了日:01月28日 著者:横関 大
わたしの好きな季語わたしの好きな季語感想
見開き2ページで1つの季語についてのエッセーが春夏秋冬新年の順で語られている。川上弘美さんの暮らしぶりも描かれていて、親しみを持ちながら読み進むことができた。「月」についての章は満月の前後の月についての記述になるほどと思いながら読むことができた。たまたま古い「NHK趣味の園芸」に作者のエッセーが載っていて、川上さんの庭はその後どうなっていくのか気になっちゃいました。
読了日:01月26日 著者:川上 弘美
スモールワールズスモールワールズ感想
6短編、一番感動したのは「花うた」。被害者遺族と受刑者との往復書簡。その書簡からこんな人生を送れるなんて、涙涙。「愛を適量」は離婚後、再開した娘にFtMだと告げられ対応に戸惑う高校教師。FtMという言葉に初めてであった。このまま再会しないのは残念だ。「魔王の帰還」。豪快な姉弟。姉の魔王こと真央は本当に見かけによらず優しい。姉の「離縁」も魔王として初心を貫けるだろう。「ネオンテトラ」で始まり「式日」のネオンテトラで終わった。全作、暗いようで輝いていた。
読了日:01月25日 著者:一穂ミチ
同志少女よ、敵を撃て同志少女よ、敵を撃て感想
アガサ・クリスティー賞を満票で受賞、今回、本屋大賞2022もノミネート。未知の独ソ戦かつ大作を興味深く読む。他国に類を見ない女性戦闘員、それも狙撃兵ということに驚く。戦争での酷い場面からセラフィマが狙撃兵として訓練され、戦場での様子が描かれる。スコープを見ながら距離を予測しや軌道を修正し技術を磨く。ドイツ兵とイリーナへの復讐を胸に、イリーナのもとで鍛えられていく。戦闘場面は撃つか撃たれるか、紙一重。終盤での復讐を果たせるのか目が離せない。戦後での生き方も大変だったろうと思う。
読了日:01月23日 著者:逢坂 冬馬
スマホ脳(新潮新書)スマホ脳(新潮新書)感想
新書版で5ヶ月で11刷の話題の書だ。私も今どっぷりとスマホに浸かっていて興味深く読む。ベッドに入ってスマホを見ると寝付きが悪くなる。ただ寝る前はサイレントモードにしてアラームで起きている。私の脳は確かに「グーグル脳」だ。ググればあやふやな言葉やわからない言葉は教えてくれるし、wikipediaもある。調べ方を覚えるだけだ。英単語もスマホのアプリでわかる。救われたのは「運動すれば集中力も脳の働きも良くなる」の提言。体も動かしながら、スマホと上手く付き合っていこう。10年後はどんな社会になるのか。
読了日:01月20日 著者:アンデシュ・ハンセン
黒牢城 (角川書店単行本)黒牢城 (角川書店単行本)感想
戦国時代の城主は大変だ。フロイスが「甚だ壮大にして見事」と評した有岡城の城主・荒木村重は、信長に対抗すべく対策を取ってきた。しかしながら場内や近隣地での敵の動きなどが生じるたびにミステリーさながらの面白さがあった。官兵衛の推理力に村重が翻弄されているようでもあり助けられているようでもある。信長の逆のやり方を進める村重ながら、一人での決断は重い。妻の千代保、信任を寄せてる十右衛門の動きも気になりながら、楽しめた。
読了日:01月16日 著者:米澤 穂信
天使と悪魔のシネマ天使と悪魔のシネマ感想
シネマを見ているような物語。10編。霊、悪魔、天使、宇宙人。自分たちの周りで起きていることも、さてはこのあたりとの関わりがあるのかもと思うと、面白くもあり、ゾッともする。人は死んだあと、自分がどうやって死んたのか覚えているものだろうか。霊となって「ほよん」のように、見たくないものは遠慮したい気もするが、涙を誘われるような様子を見たりするのはいいかも。自分の愛する者のそばでしばらく過ごせるのはいいかもね。
読了日:01月12日 著者:小野寺 史宜
葬送のフリーレン(3) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン(3) (少年サンデーコミックス)感想
嫌いだ。だから意地でも仲間に誘うことにする。そんなフリーレンの思いは?仲間が増えていくのか。
読了日:01月09日 著者:山田鐘人,アベツカサ
葬送のフリーレン(2) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン(2) (少年サンデーコミックス)感想
フリーレンってどれだけ強いのだろう?首を絞められても、切れそうにないねと、平然と言ったあとの、あの魔法!かと思えば、寝起きの悪さ。
読了日:01月06日 著者:山田鐘人,アベツカサ
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)感想
久々のコミック。魔法を集める旅。「勇気や意志や友情や・・・あなたの中にもある大切な思い出があるとすれば、死ぬのはもったいない。」「魔法使いでもなんでもいい。一人で生きていく術を身につけることが私の恩返しなのです。」寝起きの悪いフリーレンだが強いね。
読了日:01月04日 著者:山田鐘人,アベツカサ
ワンダフル・ライフワンダフル・ライフ感想
読書メーターからのサイン入り献本を読むことができ最高!章の設定など繋がりもはっきりしているようで、それらがどうなっていくのか楽しみながら最後まで読めた。障害者に対して健常者がどう接していくか。パラリンピックなどで障害者を目にしその活動に喝采を送ることが増えてきた。社会の中で隔てられることがなくなればいいのだが。こんなことをいうとGANKOさんに「表面的なことを言って」とだめだしを食うかもしれない。GANKOさんやテルテルさんの心からのメール文に感動した。多くの人がこの本に出会えることを祈る。
読了日:01月01日 著者:丸山 正樹
読書メーター

2021年の読書を振り返る~93冊/25746頁

10 1月

2021年の読書メーター
読んだ本の数:93
読んだページ数:25746
ナイス数:3167

ヴィクトリアン・ホテルヴィクトリアン・ホテル感想
超高級ホテルに集う人々の姿、人生が楽しかった。客室数が300近くもあれば、いろんな人もいるものだ。ホテルの中だけでこれほど楽しい物語が描けるなんて。でも、私はいつ頃から迷い込んでいたんだろう。女優に惹かれたから?新人作家の活躍が気になったから?スリの行方が気になったから?それとも・・・。終末になって、本編に描かれた内容は数十年のときが折り重なっていたなんて。そしてそして、あの人は、この人と・・・。何ということだ。ホテル最後の夜に、夢でも見てたようだ。
読了日:12月29日 著者:下村 敦史
最初の質問 (講談社の創作絵本)最初の質問 (講談社の創作絵本)感想
この本の最初の質問。「今日、あなたは知らない空を見上げましたか。」毎日のように見上げている空。わずかに見える青空もあった。でもそれを夜に思い出しているだろうか。「『うつくしい』と、/あなたがためらわずに言えるものは何ですか。/好きな花を七つ、あげられますか。」はて、なんと答えよう?この絵本にはこのような問いかけが次々に出てくる。ページをめくって、質問に出会って答えるのに時間がかかる。読むたびに手が止まり、読むたびに答えも変わっていきそうだ。それでよいのだろうが、何気なく過ごしている自分に驚いてしまう。
読了日:12月28日 著者:長田 弘,いせ ひでこ
赤と青とエスキース赤と青とエスキース感想
いいね。こいう物語は好きだ。エスキースって初めて知った。「下絵」。オーストラリで描かれた「エスキース」がこの物語の「エスキース」。4つの章のタイトル?って思ってたけど、なるほどこうなるんだ。バラバラに思えた各章も、ものだけにとどまらず、全てがつながっていた。下絵からさらに完成されたものに作り上げられていくのが普通なのだろう。私達もいくつもの段階で自分の人生のエスキースを描いてきて、次第に右へ左へ前や時には後ろに揺れながら今を描いている。さてこれからどんなふうに仕上げようか。
読了日:12月21日 著者:青山 美智子
ミカエルの鼓動 (文春e-book)ミカエルの鼓動 (文春e-book)感想
AIとかロボットとか、進歩は目覚ましい。外科手術用ロボットのミカエルとその扱いの第一人者・西條の物語。最小限の切開でロボットを動かし、拡大して見ながら手術が行えれば、多くの患者が救われそうだ。そんな西條の前にドイツから真木が入ったことで、物語は一気に不安に包まれ始める。ロボットを使うのか、外科医の手だけに頼るのか。医療の発展と病院の発展、患者の命をどう救うのか。医師のプライドと救命のための最善の方法は?生きるとは?向日葵の種は偉大だった。
読了日:12月18日 著者:柚月 裕子
母親からの小包はなぜこんなにダサいのか母親からの小包はなぜこんなにダサいのか感想
中に出てくる母親からの小包はたしかにダサいものだった。でもこの6編の話はみんな素晴らしく感動するものだった。我が家でもよく子どもたちに小包をするが、これに近いようなところもある。「最後の小包」なんかは弓香さんとともに涙を流すしかなかった。送られてくるものは、大したものではないけれど、そのものへの思い出やお母さんの気持ちまでが、小さな箱に一緒に詰められている。タイトルを見たときは「えぇーっ!」て思ったけど、読んでよかった。
読了日:12月14日 著者:原田ひ香
オーラの発表会オーラの発表会感想
海松子のちょっと変わった生き方。人の特徴から密かにニックネームをつけて、自分の中だけで楽しんでいるふうでもある。友達はいないというが、「ものまね師」萌音がいつもそばにいてくれ、海松子の相談に乗ってくれたりアドバイスをしてくれたり、頼りになる存在だ。メニューの分析力とか、臭覚の敏感さを生かす仕事が向いてるのではないかと思う。教員は厳しい。一人凧揚げが好きなんて、面白いね。友達と一緒でなくても楽しめるものがあるのは強い。そんな海松子に想いを寄せてくれる人もいるのだから、嬉しいね。
読了日:12月12日 著者:綿矢 りさ
川のほとりで羽化するぼくら川のほとりで羽化するぼくら感想
川にかかる一つの橋を巡る4短編。「わたれない」は子育てを始めた主夫。今の働き方改革か。わからないことばかりの子育てにアドバイスをもらえるのに、ひょんな事から橋が渡れなくなる。「ながれゆく」の天の川にかかる橋でこれほどの物語が作り出せるなんてすごい。「ゆれながら」未来の人間社会! 性の快楽と子孫繁栄。「ひかるほし」高齢者問題。家や土地を守ると言っても認知症になってしまえばどうにもならなくなる。各短編から今の自分の立場や意識を変える勇気を持てば、生き方も変わっていくのだと感じた。
読了日:12月04日 著者:彩瀬 まる
【第165回芥川賞受賞作】彼岸花が咲く島 (文春e-book)【第165回芥川賞受賞作】彼岸花が咲く島 (文春e-book)感想
游娜とどこからかやってきた宇美。2人の女の子は島を治める大ノロになろうと決意。その島は女性しかノロになれない。現在の日本の政治が男性中心で動いているのと対照的。男女で使う言葉も規定され、「うつくしいひのもとことば」を取り戻そうとしている。沖縄あたりの島のように描かれ、彼岸花が毒草でもあるが薬草として使えることで、他国から物を買っている。男友達の拓慈に女語やノロしか知ることのできない歴史を教えるのか。逆の今の日本で女性に政治の地位を与える仕組みを作るのか、宇美たちと考えてほしいと思いつつ読了。
読了日:11月30日 著者:李 琴峰
英語が話せる人はやっている 魔法のイングリッシュルーティン英語が話せる人はやっている 魔法のイングリッシュルーティン感想
60の手習いではないが、興味はありながら、徹底的にはできず、アメリカの音楽・映画などが少しでも聞き取れるといいなと思う程度。だから話すという所まで進めないのだろうが、毎日のルーティンとの内容、twitter、Instagramなどで好きな人をフォローしてその声を拾ってみるなどのアイデアも載っていた。やってみると楽しそうだ。’Nothing is impossible, the word itself says,’I’m possible!’-Audrey Hepburn 私にも「可能」かもしれない。
読了日:11月20日 著者:Miracle Vell Magic
本が紡いだ五つの奇跡本が紡いだ五つの奇跡感想
ほんの数ページ読んだだけで虜にされてしまった。作品中に涼元マサミ作の「さよならドグマ」と重なってしまう。奈緒さんの名前の由来に感動。「奈」にそんな意味があったなんて。編集者としてやり遂げたことで、多くの人に未来への幸せの糸口を与えたね。それぞれに生活の行き詰まりを多少なりとも感じていたところにこの本が出来上がった意義は大きい。書店員の心美さんの第4章に一番感動させられた。最後の読者にこのような展開があるとは。本作の人物同様、私も感動の涙を拭きながらの読了でした。
読了日:11月18日 著者:森沢明夫
巨鳥の影 (文芸書)巨鳥の影 (文芸書)感想
表題作を含めた8短編。巨鳥の声とはすごいね。調べてみるとユネスコの無形文化財として継承が行われているとか、学びたいものだ。「水無月の蟻」はとりつかれたものの最後といえばそれまでかもしれないが、悲しく哀れ。「鏡面の魚」って、試してみたくなる。もちろん魚を泳がせる方だけど。それにしてもうまく裏切られたものだ。そのおかげと言っては何だが、魚を泳がせれたのだから、ま、いいか。「再生の日」どん底に落ちたことから、新たに再生を誓えた。辛い回り道だ。
読了日:11月16日 著者:長岡弘樹
7.5グラムの奇跡7.5グラムの奇跡感想
眼科の機能訓練士として働き始めた野宮。目って、24mm、7.5グラムほどの小さなものなのにその影響はとてつもなく大きいと再認識した。機能訓練士という役割があることも初めてだった。検査で使用される機器もどんどん高性能になっているようだが、ノミーのような訓練士によって患者の状況をより正しく検査結果な反映され凄い。緑内障などで視力を失うことは避けたいものだが、その病気と付き合いながら生きがいを見つける人、精神的なことだとノミーが気づき生きる力を得た患者もあった。病気の中でも生きがいがいかに大切か感じた。
読了日:11月10日 著者:砥上 裕將
ガラスの海を渡る舟ガラスの海を渡る舟感想
道と羽衣子の兄妹がガラス工房を受け継いでいく物語。道は発達障害なのか人の気持ちを察することができない。妹もそんな兄に立腹することが度々だ。道の「人の気持ちなんかわかるわけない」とか「具体的に言ってもらわないとわからない」など確かにそうだと思う。学校からも親からも「みんなと同じように」が日本の常識みたいになっているが、「みんな違う」のだから同じになろうとするとどこかに無理が生じる。ガラス細工に打ち込む道に妹も次第に協力できるようになりよかった。またいい本に出会えた。
読了日:11月04日 著者:寺地 はるな
雨夜の星たち雨夜の星たち感想
三葉雨音さんは他人への感情移入ができないという。小さい時から「変わった子」として母や周りから見られた。勤めていた会社を辞めたのち、霧島から「しごと」を頼まれる。世の中の人はみんな変わっている。変わっているのに他と合わせる人、合わせれない人。三葉は霧島と出会えてよかった。三葉の良さを認めてくれた。それが仕事に生かせた。三葉の姉の言葉もわかる。人は「あの人変わってる」と言う一方で、密かに「自分もあんなふうにできたらいいのに」と思うことがあるものだ。認め会える社会を作りたいものだ。
読了日:11月02日 著者:寺地はるな
サキの忘れ物サキの忘れ物感想
表題作から始まる9短編。どの話も静かに進行しながらなかなか掴み所がない感じ。「サキの忘れ物」は「サキ」に出会えたことで千春の人生が大きく進展する様子がよかった。その後の千春の様子を描いてもらいたい。「喫茶店の周波数」、確かに一人で喫茶店などに行くと周りの会話をついつい楽しんてしまうようなことあるなと思いながら読む。「王国」「河川敷のガゼル」「隣のビル」など生活の中で生きづらさを抱えながら何かに拠り所を見つけようとしている。そうやって自分の世界を持つことも大事だよね。
読了日:10月31日 著者:津村 記久子
蘭方医・宇津木新吾(9)-再燃 (双葉文庫)蘭方医・宇津木新吾(9)-再燃 (双葉文庫)感想
文政13年(1830年)松江藩多岐川家の江戸上屋敷が主な舞台。藩主嘉明という名前が出てくる。こういう時代物に慣れていないのでこのような表現に慣れない。松江藩の藩主は松平家では?松江藩主に嘉明という人物名はないように思う?架空なら松江藩と言わなくても良いのでは?どなたか教えて下さい。松江藩とあらすじにあったので手にしたものからすると、残念。宇津木新吾が事件の真相を明らかにしようと、医者としての活動以上に活躍するのは面白く、武士相手にも強い!
読了日:10月28日 著者:小杉 健治
風神雷神 雷の章風神雷神 雷の章感想
「宗達」は義父の命名と。公家の烏丸光広の誘いで公家の各家に秘蔵される作品により視野を広め、養源院「白象」、相国寺「蔦の細道図」、醍醐寺「源氏物語」、「舞楽図」など活動の幅が広がる様子に惹きつけられた。風を避けるための屏風、雷から身を隠すための屏風。そんな屏風に描かれた宗達の印もない「風神雷神図」を醍醐寺で見つめる宗達の妻美津、本阿弥光悦の娘冴、出雲阿国ら3人がそれぞれ語る「鬼」の姿に涙を誘われた。マハさんの同名小説もエンタメとしては面白かったが、本書は宗達の姿がよく見えてよかった。
読了日:10月23日 著者:柳 広司
風神雷神 風の章風神雷神 風の章感想
原田マハ「風神雷神」に続いて読む。作者よりこんなに異なる物語を楽しめるとは。本書では宗達は「伊年」のまま。出雲阿国、本阿弥光悦らの登場とともに、平家納経修復、光悦とのコラボ作品の鶴や鹿を描いた10m前後の絵巻の制作に培ったノウハウを遺憾なく発揮する伊年の姿が興味深く描かれている。書と紙と絵の作品というだけでなくそれらを作り上げるための技術が高まっていく様子もすごい。紙屋の宗二の能力!お互いの能力を認め引き出し、高め合う姿が美しい。にしても政治で文化までも歪めようとする家康め。
読了日:10月22日 著者:柳 広司
宗棍(琉球空手シリーズ) (集英社文芸単行本)宗棍(琉球空手シリーズ) (集英社文芸単行本)感想
琉球王国で武術を極めていく松村宗棍の物語。空手のような術と読んだ。清国の武術の影響を受けながら、宗棍は薩摩の剣の技も取り込もうとする。子供時代に喧嘩に強かった彼が、真の強さを極めていこうとする姿に引き込まれ一気に読めた。武術の指南を受けるため役人の科に合格するという勉学に励む姿。それに美人のチルーに勝ち妻にできるという幸せな姿。どんどん強くなっていく宗棍に自惚れを戒めてくれた者の存在は大きい。廃藩置県後の日本の術でないという役人に対しての宗棍がかっこよかった。
読了日:10月20日 著者:今野敏
風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)感想
興味深かった。エピローグにある通り、史実にはないが、それでよいではないかと、マハさん。宗達と同世代の原マルティノ、ミケランジェロ・メリージ・デル・カラヴァッジョがイタリアで遭遇し、互いに絵を描くことに情熱を燃やす。遣欧使節と俵屋宗達をリンクさせ、マカオで見つかったという古文書・絵を結びつける。宗達やマルティノらの好奇心や情熱が強く伝わってきた。情報を得るのに時間と命をかけていた当時の人の熱意は、今の私達にあるのだろうか。柳広司の描く「風神雷神」もぜひ読み比べたい。
読了日:10月19日 著者:原田 マハ
風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)感想
博物館での説明から始まったが、生没年不詳の俵屋宗達が子ども時代から描かれ始めて、俄然面白くなってきた。好きなことに没頭できること、親がそれを支援する。もっとも俵屋という扇に絵付けをして売る店だったというのもあって、絵が上手になればということはあっただろうが、それだけにとどめたくないという親、そして本人自身のまだ見ぬものへの好奇心が「宗達」に繋がっていったという。史実と本作がどの程度関係するのか知らないものの、信長、キリシタン、遣欧使節など興味を惹かれることが満載だ。下巻も楽しみ。
読了日:10月18日 著者:原田 マハ
霧をはらう (幻冬舎単行本)霧をはらう (幻冬舎単行本)感想
似たような事件はどこかで起きたような。本作を読みながら、ほとんどが有罪になる刑事事件。犯罪のシナリオが描かれそれに沿って調書が作られていく恐ろしさを感じた。無罪を主張することの困難さを感じながら、読めた。伊豆原や最後に加わった栞のような弁護士であったから裁判を乗り越えれたのだろう。無罪になって欲しいと思いつつ読んだものの、意外な結末。引き続く伊豆原はどのような方針です新たな弁護を受けていくのだろう?政治家などの権力者の影で自殺などに追い込まれた人の思いを晴らす司法制度を望みたい。
読了日:10月14日 著者:雫井脩介
チーム (実業之日本社文庫)チーム (実業之日本社文庫)感想
箱根駅伝の学連選抜を中心とする物語。箱根駅伝に出場できないチームからの選抜メンバー。それぞれが自分の大学の名前で出ることができなかった悔しさを抱えながら、それでも選抜メンバーとして出ることができる。今回で卒業する者もそうでないものも。彼らの監督となるものも大変な苦労があることだろう。もちろんキャプテンとして活動する浦も、自身の今までの苦悩を背負いそして直前になってのアクシデントを伏せながらのアンカーの重圧。今まで何気なく見ていた箱根駅伝を見る楽しさを教えてくれた小説になった。
読了日:10月09日 著者:堂場 瞬一
あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)感想
6短編の中で最初の「最後の伝言」が、最高の感動。「髪結い亭主」さながらの父親が母から受け取った遺言!お母さんの胆力と夫を信じる力に感服。「無用の人」の父親が残してくれたものから、思いとは違って自分の進む道のヒントになったものをきっちりわかってくれていた。身近にいたり離れていたり、様々だが、誰かが、誰かの言葉や生き方が、自分の生き方に影響を与えている。また逆に、自分も誰かの生き方に何らかの力を与える存在になりたいものだ。もちろん迷惑や心配を与えることは最小限にして。
読了日:10月03日 著者:原田マハ
臨床の砦臨床の砦感想
新型コロナ感染症の第3波の真っ只中に、信濃で地域医療に従事する作者による小説。コロナ患者を受け入れている病院の医師・看護師などが中心。コロナ患者を受け入れる病院、病床は確保したと言いつつ理由をつけて受け入れない病院。多くの人、特に政治家にはぜひとも読んてもらいたいものだ。介護施設利用者のクラスターでの対応の大変さ、院内感染での医師たちの対応、非難されながらも必死で取り組む姿に感謝しかない。4,5波の時はどうだったのだろう。6波に向けて飲食店より病院への対応を国にやってもらいたい。
読了日:09月30日 著者:夏川 草介
声の在りか声の在りか感想
希和さんが日々の生活の中での窮屈さからしだいにその殻を破ろうとする姿が、ゆっくりではあるが、見えてくる。子どものころからの生活の影響もかなりありそうだ。親や周りの人によく見られたいがために、自分の思いや意見を抑えてしまいやすいようにも思う。自分自身を考えても、違った意見を言えないまま過ごしたことも多かった。アフタースクール鐘で働き出した希和さんが、しだいに自分の思いを強く持つようになり、学校の懇談会の中でしっかり言えたことに拍手喝采。今後が楽しみだ。
読了日:09月25日 著者:寺地 はるな
境界線境界線感想
東日本大震災で行方不明の人の名前が、悪事に利用されてしまった。笘篠誠一郎・宮城県警刑事が捜査する。死体の身元は誰なのか。名前の手がかりはあってもその名前の人物とは異なる。死亡していないのに本人の所在がわからない、名前や免許証はあるのにその本人ではない。犯罪その他で自分の身元を伏せながら社会生活をするために他人の名前を使う。それを斡旋して金を稼ぐもの。失踪期間中に宙に浮いている名前のデータがこんな悪事に利用されることもあるのだろうか。個人情報保護が悪の手で歪められる。
読了日:09月22日 著者:中山 七里
たまごの旅人たまごの旅人感想
派遣の旅行添乗員となった遥が繰り広げる5か所での物語。旅行が大好きでも添乗員の仕事をするのは大変そう。現地での案内は好きなことだからなんとかできるとしても、ツアー客の相手がなんとも大変そうだ。それをひっくるめての添乗員なんだろうが。文句ばかり言う客なんか本当にいそうだ。天候に左右されて楽しみなことが体験できないだけでも非難されそうだ。5話はコロナ禍での添乗員、それも派遣社員の処遇には多くの共感を得るのではないだろうか。それにしても遥さんのアイデアはナイス!
読了日:09月15日 著者:近藤 史恵
リボルバー (幻冬舎単行本)リボルバー (幻冬舎単行本)感想
すごく面白かった。ゴッホとゴーギャン。名前や作品はいくつか知っているものの、2人にこんな関係があったなんて。新しい絵を求めて刺激し合う2人の画家、オークション会社に勤めながら彼らを論文にしようとする冴。リボルバーという銃がこの物語の中心とは驚きだった。絵の好きな人、ミステリーの好きな人には最後まで惹きつけられる作品だろう。最後に冴の友達の莉子さんの登場で、感動は一気に高まる。とかく自分さえよければと思う人は多いだろうに、莉子さんは違った。冴の人柄ゆえも大きいのだろうね。
読了日:09月11日 著者:原田マハ
エレジーは流れないエレジーは流れない感想
久々のしをんさん。怜の母親が寿絵さんと伊都子さんの2人いるって、どんな関係?それでも怜は決まったようにそれぞれの家で過ごしている。「迷惑のかけあいが、誰かを生かし、幸せにすることだってある」という一文があったが、この餅湯温泉駅前商店街の人々の温かさにほっとさせられる物語だった。怜の父親はやっぱりの男だったが、伊都子さん寿絵さんは経済的には大きな差があるとはいえ、どちらも相手を思いやりながら怜を大切にしていていいね。
読了日:09月05日 著者:三浦しをん
琥珀の夏 (文春e-book)琥珀の夏 (文春e-book)感想
「ミライの学校」で出会ったノリコとミカ。友達を作りにくいノリコにとっては、夏の1週間てのミカの存在は大きかった。「問答」を通して子どもたちの成長を促すというのは暗記主体の日本でも取り入れたらと思う。弁護士・法子に美夏の弁護依頼がくる。数十年たって発覚した事件から、弁護のために当時のことが明らかにされていきどんどん惹きつけられる。法子の弁護を決断する葛藤も、カルト集団だと認知されたとなるとそうなってしまうのかと思う。ミカちゃんのためによくやったノリコ。ミカも長く辛かったね。
読了日:08月31日 著者:辻村 深月
大事なことは植物が教えてくれる大事なことは植物が教えてくれる感想
植物に関わって偉人たちの名言がいろいろとあるものだ。竹の成長が早いのも節があるから、強くもあり成長も早いという。高橋尚子さんの座右の銘「何も咲かない寒い冬は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」もいいね。『タゴール詩集』に「花はその花弁のすべてを失って果実を見いだす」。美しい花に目を留めやすいが、花にとってはそれからあとの果実を作るところが大切な時間になる。さて私の節はどこにあるのだろう、華やかな生活のあと何が残せるのだろう。
読了日:08月22日 著者:稲垣栄洋
生き物の死にざま生き物の死にざま感想
蝉の「空が見えない最期」がきっかけ。死んだセミが仰向け。そのなぜ?からこの本を知った。何年も過ごした地面を見つめる最後ってすごく印象的だった。ハサミムシも母親は卵を40日以上抱え、誕生したらそのまま子どもたちに我が身を差し出すという。赤家蚊も子どものために人の血を決死の覚悟で吸いに来るという。蚊の口は6本!。2本で切り裂き2本で開き、残り2本のうち1本は痛みを感じにくし最後の1本で血を吸う。見つかれば命はない。ベニクラゲは何度も若返るなど驚きがいっぱい。
読了日:08月21日 著者:稲垣 栄洋
虹猫喫茶店 (祥伝社文庫)虹猫喫茶店 (祥伝社文庫)感想
猫カフェではなく猫の貰い手を探すための喫茶店。店主サヨリさんは最後までおぼろげな印象。獣医学部になんとか入学した玉置翔がアルバイトとして通うくらいだから、サヨリさんはよほど魅惑的だったのだろう。でもあの言葉遣いはどうなの。一人だから?トレーダーだがそこは描かれてないし。でもカケルは、あの難しそうなお婆さんの家で多くの猫の引き取り手を見つけながら、世話をし続けた。人間関係がうまく行かなかった人たちが猫を通じて身近になっていく姿がよかった。カケルの次の生活も覗きたい。
読了日:08月14日 著者:坂井希久子
雨の日は、一回休み雨の日は、一回休み感想
パワハラ・セクハラ、以前は当たり前のことのようになされていたことが時代とともに、意識の高まりとともに問題となってきた。それに順応できない世代の人にとっては身の置き所がない。「時雨雲」の獅子堂もやっと「男と女、夫と妻、心の中の上下関係を取っ払うと、とたんに視界がクリアになる」ことに気づけた。これからが楽しみだ。「涙雨」の佐渡島も娘にまで見放された感があるが、職場での元部下からのパワハラめいたしうちにしたたかな切り返しができて溜飲が下がった。養育費頑張れ!
読了日:08月08日 著者:坂井 希久子
にぎやかな落日にぎやかな落日感想
83歳のおもちさんは元気だね。少し認知もあるのだろうが、主人公としてこの本の中で、時々スルーしてしまう言葉もあるが考え、行動する。細々と記録し保存、友達ともおしゃべりしたりカラオケしたり。先に認知症がひどくなった主人を施設に入れたあとも元気いっぱい。でも糖尿病になり食事をコントロールできる「マンション」生活。家族に支えられながらも、友達に手紙を書いて近況を知らせたり、明るく過ごしている。認知症・施設というと家族の目で描かれることが新鮮だった。
読了日:08月05日 著者:朝倉 かすみ
星落ちて、なお星落ちて、なお感想
河鍋暁斎の娘とよ(暁翠)が絵の道に進みながらも、父のように奔放にもできず技量も高まらないと、苦悩しながらの様子が描かれる。明治から大正と時代も変化し大和絵、日本画の中に西洋的なものが注視されていく。狩野派の暁斎をどう乗り越えていけるのか、時代の流れと画風との鬩ぎ合いの苦しさ。この苦しさを娘にも味わわせるのか。暁斎の最後を仕切った清兵衛に気付かされた。人は喜び、楽しんていいのだ。生きる苦しみ哀しみと、矛盾しない。人の世が苦悩に満ちていればこそ、たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる。
読了日:08月01日 著者:澤田 瞳子
テスカトリポカ (角川書店単行本)テスカトリポカ (角川書店単行本)感想
直木賞受賞本の最初から麻薬絡らみの抗争、臓器売買の酷い世界に足が竦む。それにしても抗争の中で神に捧げる仕打ちには目を背けたくなる。テスカトリポカ(黒い鏡が煙る)神に護られたバルミロは、東を収めるためにアジア、ジャカルタそして日本にやってきた。麻薬よりも臓器売買に手を出していく。日本で過ごしていたコシモとどう関わっていくのか、気になりながら進む。腎臓は2つあるでも心臓は1つ。無戸籍児童もいる。自分の知らないところでこの小説のようなことが起きていそうで、ゾッとする。最後のコシモに少し救われた。
読了日:07月28日 著者:佐藤 究
さまよう刃 (角川文庫)さまよう刃 (角川文庫)感想
少年たちによる少女狩り、レイプから自殺や殺人まで引き起こしてしまう。被害にあった女性や遺族の心情が堪える。少年だから法的にも一般より軽く扱われることを悪用して犯罪を繰り返すことが憎い。娘が殺された長峰の思いも強く伝わってくる。犯罪者への更生、少年犯罪の刑をどう考えたらいいのだろう。復讐を狙う長峰に情報を伝えるのは誰か。復讐は達成できるのか。最後まで惹きつけられる。結末は!
読了日:07月18日 著者:東野 圭吾
悪徳の輪舞曲悪徳の輪舞曲感想
元「死体配達人」の御子柴礼司弁護士が、姉から母の弁護を依頼される。親子としてではなく被告人と弁護人として活動する御子柴の心中はどうだったのだろうか。自殺か殺人か?検察側の証拠は覆しようもないもののように思えたが。御子柴の過去の事件以後の家族の置かれた状況についても御子柴自身は冷徹なほど他人事のように振る舞う。御子柴は今の弁護に関係あるものだけを探そうとする。不利な裁判を覆す手腕の凄さ、そして被告人の母から最終弁論後に耳打ちされた衝撃的な一言。1日で読み終われた。
読了日:07月12日 著者:中山 七里
ヒポクラテスの悔恨 法医学ミステリー「ヒポクラテス」ヒポクラテスの悔恨 法医学ミステリー「ヒポクラテス」感想
法医学教室の栂野真琴と埼玉県警捜査一課の古手川のコンビがいいね。それぞれの上司がまた唯我独尊の光崎教授と渡瀬班長。上司の影響を受けた真琴と古手川は自然死と判断された中から、光崎教授への挑戦状的な「自然死としか見ないような殺人」予告への対応だ。一見、自然死のように見えても解剖してみると、外部からの手が加わっているとわかる。光崎の腕・判断がすごい。死体から真実の声を聞こうとする法医学教室の人たちと、そこへ繋げようとする古手川の尽力、それを支持する上司の強い正義感が良かった。
読了日:07月11日 著者:中山七里
ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったらビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら感想
いやー面白かった。新型コロナウイルス感染対策をなし得ない時、AIとホログラムで登場した家康、龍馬、義満、政子など過去の英傑たちが内閣を組織する。厳しい規制をかけ、不満を持つ人々には北条政子が熱意を持って説く、経済対策、外交対策、歴史上でその分野で活躍した人材が大臣として指揮を執る。エンターテイメント劇場だ。映画化されるのも面白そう。龍馬とテレビ局の理沙との関係もナイス。家康の大演説「自由は不自由とともに、未来に向けて」は、沁みる。「一部の人の自由」ではなくすべての人の自由と不自由」だ。
読了日:07月08日 著者:眞邊 明人
ミシンの見る夢ミシンの見る夢感想
貧しいながらも誠実に「お針子」として生活する主人公「私」が日常を綴っていく。祖母の生き様からひたむきに針子として一人前になっていく。貧富の差も大きく、仕立て直しでの生活はできたが貧しいまま。豊かな地位のある家庭でも外見は見えを張り「パリから届いた衣装」と街を歩きながら、実際は仕立て直しをさせる吝嗇家も描かれていた。私を支えてくれる街の人、そんな姿に想いを寄せてくれる男性。資産を独り占めしようとして圧力をかけてくる男性の親族。手縫い、手回しミシンから次第に私の世界が、危機を乗り越え、見事に開けていった。
読了日:07月05日 著者:ビアンカ・ピッツォルノ
よくばりなカササギ (児童書)よくばりなカササギ (児童書)感想
ねずみくんから貰った1つのビー玉。カササギはそれから次々にいろんなものを集めて巣に運ぶ。カササギは朝鮮半島や北九州だと思っていたけど、北アメリカにもいるんですね。私もなにか一つ手に入ると、さらに次へ次へと手に入れたくなりがち。カササギの気持ちもよくわかる。これはきれいだったから、これはあのことに使えそうだ、これは・・・と。終いにはこれってなんで持ってきたんだろう?ってことになることも。ネズミくんのように「そんなにいらないんじゃない?」とアドバイスをくれる人が近くにいて、それに従えたらいいね。
読了日:06月29日 著者:I.C. スプリングマン
メダカ (いのちのかんさつ)メダカ (いのちのかんさつ)感想
メダカを飼いながらほとんど何も知らないので、読む。著者によるメダカの生態が丁寧に描かれていて、オス・メスの違いや卵の成長経過がよくわかった。小さい子にも読みやすいようにすべての漢字にルビが降ってある。大人が読んでも十分読み応えがある内容だった。自然環境、メダカを他の場所に放すことだけでも生態に悪影響を与えるなど、考えさせられた。各ページに説明文も詳しく長いのでやむを得ないのかもしれないが、行間が狭くルビがその狭い間にあるので、読みづらさがあった。
読了日:06月28日 著者:中山 れいこ,アトリエモレリ
お誕生会クロニクルお誕生会クロニクル感想
誕生日を祝うって今まで何度あっただろう?7短編は誕生日の人間模様が家族、職場などを舞台に描かれていく。喜び、辛さ、いろいろあるものだと改めて感じた。「ドールハウス」のルーちゃんの言葉やミャオ族の「嬉しいことはできるだけ多くの人たちと分け合う」伝統を保とうとする姿に感服。「あの日から、この日から」「刻の花びら」は母子の深く刻まれた愛に涙した。「万華鏡」も憎んでいたはずの母だったのに、その母が実は・・・。表面では見えなかった真実の姿が見えた。
読了日:06月28日 著者:古内一絵
痛みの道標痛みの道標感想
おすすめ。会社の上司の指示で営業成績を上げるために不正を繰り返す達希、太平洋戦争中、ボルネオ島に志願兵として渡った祖父・勉。戦中の苦い経験から成仏できない祖父の思いを達希が叶えようとする。戦争中の日本兵と現地住民との関係、さらには日本兵の階級差による軋轢。真実を隠しながら戦勝を報じる大本営と現在の企業、政治が重なる。慰霊碑の日本兵のレリーフを見る達希に、過去の歴史は受け止めながら新しい関係を作っていくことが大切だという現地の人の声が胸にしみる。真実に生きる人、自分を誤魔化し重荷を背負う人。
読了日:06月25日 著者:古内一絵
痛みの道標痛みの道標感想
おすすめ。会社の上司の指示で営業成績を上げるために不正を繰り返す達希、太平洋戦争中、ボルネオ島に志願兵として渡った祖父・勉。戦中の苦い経験から成仏できない祖父の思いを達希が叶えようとする。戦争中の日本兵と現地住民との関係、さらには日本兵の階級差による軋轢。真実を隠しながら戦勝を報じる大本営と現在の企業、政治が重なる。慰霊碑の日本兵のレリーフを見る達希に、過去の歴史は受け止めながら新しい関係を作っていくことが大切だという現地の人の声が胸にしみる。真実に生きる人、自分を誤魔化し重荷を背負う人。
読了日:06月25日 著者:古内一絵
コウモリとしょかんへいくコウモリとしょかんへいく感想
窓が開けっ放しになっていた図書館へ入っていったコウモリたち。ごちそうの本はさすがコウモリのためのものだね。他の物語が隠されているとはいえ、いくつかしかわからなかった。図書館の楽しみを感じてくれる子が増えればいいね。
読了日:06月18日 著者:ブライアン・リーズ
非弁護人非弁護人感想
読み応えがあった。元検事でありながら非弁護人としてしか活動できなくなった宗光彬。ヤクザのお抱えでもありながら、小学生のマリクとのわずか数千円の依頼を受けて動き出す。在留外国人や組織から相手にされなくなった者たちが消えていく?宗光が我が身を張りながら調べていく。かつての同士かつ仇敵や組織を使いながら核心に向かっていくストーリーに惹きつけられないはずはない。闇の中で活動するものさえ黙っておれない悪事。目を覆いたくなる事件の真相と困難を極める証拠集め、宗光の執念が凄かった。
読了日:06月18日 著者:月村了衛
神のロジック 人間のマジック (文春文庫)神のロジック 人間のマジック (文春文庫)感想
よくわからないまま施設に集まってきた11,2歳の少年少女たち。ワークショップをしながら自分たちは名探偵の養成所にいるのではないかと感じ始める。ワークショップでそれぞれが課題に向けて議論している様子はまさにそんな感じがする。神戸からアメリカ?進んでいくにつれ、この施設に来た経緯も曖昧、施設の職員、博士も何やら不穏な動きをしているようだ。単純にどんな名探偵に育っていくかと楽しみにしていたら、終盤は大変なことになっていく。いやいやそれどころか少年少女たちは!すごい結末を迎える。
読了日:06月14日 著者:西澤 保彦
あなたへの一句あなたへの一句感想
「俳句でエール」のメルマガから誕生した本。作者の俳句はもちろん、芭蕉など俳人の句、飯舘村の「愛の俳句」などの優秀作品などで構成されている。それぞれの句の解説、季語の説明など、ためになる。それにしても俳句17文字の世界は広い。季語を含めて知らない言葉がたくさんある。まどかさんは北スペインのサンティアゴ巡礼900kmを歩いたり、韓国釜山ーソウルを歩いたりと、すごい人だ。以前に我が村に来訪されたときにもっと俳句に興味を持っていたり、この本を読んでいれば、随分違ったのだろうにと残念に思う。
読了日:06月10日 著者:黛まどか
感染症の日本史 (文春新書)感染症の日本史 (文春新書)感想
新型コロナ感染症の広がりを、歴史の感染症から読み解かれている。江戸時代、「15代の将軍のうち14人が疱瘡に」「藩主の感染をゼロを実現した岩国藩」「すでにあった給付金」「薬をただで配った大阪の商人たち」など今の政治家たちは本書をぜひ読んでもらいたいものだ。スペイン風邪が第一次世界大戦と重なっていてさらに関東大震災の4倍の死者だったと。そんな酷さだったということは習っていなかったような気がするが。今のコロナの対応も記録に留められることを願う。政府・厚労省は記録を残し破棄しないように。
読了日:06月04日 著者:磯田 道史
白鳥とコウモリ白鳥とコウモリ感想
殺人事件の被害者家族と加害者およびその家族。被害者参加制度。500ページを超える大作だったが、どんどん惹きつけられた。5分の2程のところで、あれ?もう解決した!と思ったが、そこからの展開がすごい。さすがに多くの読者を引き付ける作家だ。罪と罰、どう背負っていくのか、どう晴らしていくのか。人間の光と影、白鳥のように見えてたものが実はカラスだったり、相手によってコウモリのように言い繕ったり。織恵さんや美令さんや和真さんなど若い人たちの行動考え方に感動させられた。もちろん達郎にも。
読了日:06月02日 著者:東野 圭吾
梟のシエスタ梟のシエスタ感想
主人公は吉川?「梟のシエスタ」なら梟の袋井?大学の教授たちを巡る物語。吉川が困った状況になってくると、袋井が登場してくるというパターンだ。吉川を救っているのか困らせているのか。袋井は善人なのか悪人なのか。この大学をどうしようと袋井は考えているのか。フクロウのように昼夜逆転の袋井の真意がなかなかつかめない。「ほお」と言いながら何を考えているのか気になったまま終盤。学長選挙、学部再編の中で誰が動かしているのか。フクロウ?カラス?それとも。フクロウはシエスタ(昼寝)を取るのが狙いだったのか?
読了日:05月29日 著者:伊与原 新
MR (幻冬舎単行本)MR (幻冬舎単行本)感想
天保薬品のMR(医薬情報担当者)の紀尾中たちが、薬の開発に関わる大学の教授たちの協力を得ながらライバル企業と競う様子に驚くことも多かった。「患者ファースト」か「企業の利益優先」か。一線を画すことはできないにしても、薬害だけは避けてもらいたいものだ。新薬開発でどうデータを集めるのか、処理するのかも興味深かった。ライバル企業につく教授の動きにも目が離せない。社内も開発費用や昇進を巡る動き。社長の「患者ファースト」の精神で乗り越え成果を上げてきた紀尾中たちのエネルギーはすごい。そんな彼を待っていた結末!
読了日:05月27日 著者:久坂部羊
キネマの神様 ディレクターズ・カットキネマの神様 ディレクターズ・カット感想
ゴウさんの初監督での緊張ぶりが目に浮かぶようで、またその後が残念だった。テラシンさんとの関係がどうなるかと心配したが、ゴウさんの人柄なんだろうね。淑子さんの「あの人を幸せにしてあげる」「一緒になって後悔する方を選ぶ」と言い切るってすごいね。その後の生活を見ててもドンと構えているようで、淑子さんの強さ、ゴウを信じる力が半端ない。映画を生きていく上でのバイブルにする強さ。孫と一緒にかつての脚本を再生して見事受賞。もう、最後は嬉しくて泣けてきちゃった。この作品が作られた経緯もいいね。
読了日:05月18日 著者:原田 マハ
流星シネマ流星シネマ感想
「流星新聞」の太郎は、一体どのくらいの取材や記事を書いているのか、その苦労の様子が見えない。でも、かつて居たという鯨のことが次第に話題の中心に収まっていく。都会の「ふきだまり」のような崖下の仕事場には、自由に街の人達か気楽にふらっと立ち寄れる憩いの場でもあり情報が集まる場でもある。気分転換もできる。鯨との関係が、人々の何気ない言葉から、一つに集約されていく。吹き溜まりは情報の吹き溜まりにもなり、皆の生きがいを高めるエネルギーの集積・発信地にもなっていきそうだ。
読了日:05月14日 著者:吉田篤弘
ほたるいしマジカルランドほたるいしマジカルランド感想
改札を抜けると529歩で到着するマジカルランド。500歩でも530歩でもない。なんで?楽しくなりそうな物語のはじまりを感じてしまう。社長のほとんどの指には指輪。なぜこれほど石にこだわるかは最後になって明かされる。マジカルランドで働く人たちが以前から持っていた悩みが、この職場、社長の方針によって生かされていく。画一的な採用ではなくその人の良さを仕事の中で生かしていこうとするマジカルランドは、楽しみに来ている人たちばかりでなく、働いている人たちにも、幸せを与えている。すべて違っているからいい。
読了日:05月05日 著者:寺地 はるな
多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (サンクチュアリ出版)多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (サンクチュアリ出版)感想
この世の中楽しい事ばかりならいいのに、そんなことでは終わらない。嫌なことや悩むことも多い。悩みがあるときにこの本を読むと、なるほど、そういう考え方すれば楽になれるなと思うことが細かく示されていた。「言葉の不法投棄」「言葉の通り魔」「『憑かれた君』を追い出す」「相手に何かをするときはやりたいからやったと考える」「生きている時間の中で変えられるチャンスは過去でも未来でもなく今だけ」「辛いときだから見えるものもある」
読了日:04月29日 著者:Jam
1ミリの後悔もない、はずがない (新潮文庫)1ミリの後悔もない、はずがない (新潮文庫)感想
集中して読むこともできなかったせいもあろうが、うまく読み込めなかった。「したことへの後悔。しなかったことへの後悔。考え出すと止まらずあとからあとから浮かんでくる。」同じ後悔だが、どちらの後悔のほうが後々まで響くのだろうか。「何もあげられない時は笑顔をあげなさい。」この言葉はいいね。「5秒の思いつきで出たセリフに五日間落ち込むなんて時間の無駄だ。」相手から浴びせられたときもこんなふうに考えると楽になれそう。これらのフレーズだけはメモを残せたが、よく読まれているようだが、私には向いていなかった。
読了日:04月27日 著者:一木 けい
あつかったら ぬげばいい (MOEのえほん)あつかったら ぬげばいい (MOEのえほん)感想
とかく何かに行き詰まったときに、なんとか突破しようとして悪戦苦闘。がましゃらになってしまいやすい。そんなときにこの本を読むと楽になる。「ヘトヘトにつかれたら はもみがかずにねればいい」「きょういちにちなにもすすめられなかったら 136おくねんのうちゅうのれきしにおもいをはせればいい」「あつかったら ぬげばいい」「さむかったら きればいい」。今の状況を打開する処世術!考え方の転換!日々の生活の中で頭が沸騰しかけたら、シンスケさんにならって方向転換することを考えてみようっと。
読了日:04月24日 著者:ヨシタケ シンスケ
うちの父が運転をやめませんうちの父が運転をやめません感想
いま高齢者の自動車事故がニュースに取り上げられることが多くなった。都会の人は交通機関が充実しているから車はなくてもよいのだろうが、過疎地はそうはいかない。軽い認知症ても、体力・脚力が落ちても車がなかなか手放せない。脚力が落ちたからちょっとそこまで車で行くということも。ブレーキは大丈夫か?本書でも父親を心配しながらUターンし、買い物難民のために移動販売することが描かれていた。主人公の猪狩雅志とその息子の息吹の決断と今後を応援したいものだ。
読了日:04月22日 著者:垣谷 美雨
心淋し川 (集英社文芸単行本)心淋し川 (集英社文芸単行本)感想
心淋し川の流れているのかどうかはっきりわからない場所にある「長屋」に住まう人々の物語。最初は短編?と思いながら読んでいたが、心町とそこを差配する茂十がさり気なく出てくる。みな淀みのような生活ながら精一杯生きている。最後の章でやっと茂十や楡爺のことが細かく描かれてくる。「人生は妥協の連続、折れるからこそ他人の痛みも察せられる」というように、心淋し川に集う人々は人を思い、どぶ川とは違う「清冽な流れ」の心を持つ人たちだ。温かな人の物語だった。
読了日:04月17日 著者:西條奈加
絶対!うまくなる オカリナ100のコツ絶対!うまくなる オカリナ100のコツ感想
オカリナを始めよう、また始めている人が感じる疑問などを含めながら、上達するための100のコツがまとめられている。楽譜など音楽の初心者にもありがたい説明も丁寧に記されている。他の教本に見られる半分以上は楽譜というスタイルとは違って、本書にはほとんど楽譜はなく、コツや取り組む姿勢についてまとめらている。
読了日:04月14日 著者:大沢 聡
超カンタン! もっと楽しむオカリナガイドブック 吹奏技法から楽譜の基礎まで図解でしっかり学べる超カンタン! もっと楽しむオカリナガイドブック 吹奏技法から楽譜の基礎まで図解でしっかり学べる感想
オカリナ吹くときの姿勢、呼吸の仕方、穴の押さえ方まで写真とともに説明してある。#♭などのつく楽譜の読み方が説明されていて初心者にはありがたい。後半は楽譜。
読了日:04月13日 著者:田島 篤
初中級者のための オカリナが上手くなる方法初中級者のための オカリナが上手くなる方法感想
オカリナの持ち方から、息の使い方などr絵とともに説明してある。後半は譜面中心だが前半にはオカリナの作り方もかんたんに示されていた。初歩的な演奏の仕方も丁寧に説明してあった。
読了日:04月13日 著者:橋本 愛子
初心者のオカリナ基礎教本 メロディをやさしく吹きながら実践で学べる入門書初心者のオカリナ基礎教本 メロディをやさしく吹きながら実践で学べる入門書感想
たくさんの曲の譜面と簡単にオカリナについての話題と奏法などの説明。編者の練習曲として「オカリナのためのエチュード」というのもあった。「アーティキュレーション」として「ポルタート奏法」「ノン・レガート奏法」「レガート奏法」「スタッカート奏法」という音楽の素養のないものには初めて出会う言葉もたくさんあった。
読了日:04月13日 著者:橋本 愛子
月とコーヒー (文芸書)月とコーヒー (文芸書)感想
寝しなに読むための24短編、とあとがきにある通り、1話十数頁で次々に読むことができた。いい話だなと「青いインク」を読み終わっていたが、その後、100ページほど進んだところに続きだ出てきて喜んだ。さらに最後の「ヒイラギの青空」と。たまたま出会えた作家の本書、素敵な話で続きか読みたいものばかりだった。「三人の年老いた泥棒」たちにもっと活躍して夜空に星を放ち続けてもらいたい。「冬の少年」の「ページをひらくことは世界をひらくこと」とあるが、この本にはたくさんの夢、恋、不思議と出会わせてくれた。
読了日:04月13日 著者:吉田 篤弘
老人初心者の覚悟 (単行本)老人初心者の覚悟 (単行本)感想
テレビ「サワコの朝」も残念ながらなくなってしまったが、このエッセー集でサワコさんの日頃の思いが伝わってきて、面白く読み終わった。作家の子どもとしての苦労、30分のテレビ番組で5時間の拘束など自らの生活を描きながらのエッセーで親しみやすかった。泣き虫のサワコさんなのか、怒り虫のサワコさんなのか、いろんなサワコさんに出会えた。
読了日:04月11日 著者:阿川 佐和子
いつか、あなたもいつか、あなたも感想
在宅医療の6短編。作者の体験からの作品。医者、看護師の患者への対応は精神的・体力的に大変だと改めて感じた。テーマは、まさに自分のことでもある。私もいつかは、場所の違いはあろうがいずれは死を迎える。その時の精神状態はどうなのだろう。病気もさまざま、認知症になってるかもしれない。できることなら痛みもなく、周りの人に感謝しながら旅立ちたいものだが、そううまくことが運ばないのがこの世の常かも。最後は安楽死についても投げかけがされていた。本人や周りの人のこと考えると認められてもよいのでは。
読了日:04月06日 著者:久坂部 羊
月まで三キロ月まで三キロ感想
6短編、いずれも心のどこかに不安なものを抱えながら、心がほっとできる作品ばかり。この作者に出会ってまだ2作品目ですが、他の作品にも触れてみたい。表題作のタイトルはどういう流れになるのか楽しみだった。終末はしんみりとしながらも力強さをもらえた。「エイリアンの食堂」もどんなものが登場するのか、わくわく。そのエイリアを見つけるのがこれまたかわいい子。もっともっとこのエイリアンとともに過ごせたかった。それぞれの登場人物の生き様に魅了された。「山を刻む」では主人公を案じたが、このような歩み方をするなんて素晴らしい。
読了日:04月01日 著者:伊与原新
珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界 (たくさんのふしぎ傑作集)珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界 (たくさんのふしぎ傑作集)感想
伊与原新著「八月の銀の雪」の中の「玻璃」のテーマから珪藻について初めて知った。珪藻土というのはよく聞いていたが、そこにこんなにきれいな世界があるということで、この本を手にした。1mmの十分の一とか百分の一単位のガラス状の珪藻を集めてきれいな柄に作り上げるなんて驚き。環境を整えることr顕微鏡を見ながらの作業ということに感銘するばかり。光の当たり方によって全く色が変わったりその形状、1つ1つのさまざまな模様にも驚いた。ミクロの世界!
読了日:03月22日 著者:奥 修
不祥事 (講談社文庫)不祥事 (講談社文庫)感想
久しぶりに花咲舞さんの活躍を楽しませてもらった。単行本は17年前発行、今回は14年に実業之日本社刊行されたもので、作者のあとがきにも頷いた。現実とは違ってもいい。ネットの反応をチェックする作者の姿勢もいいですね。舞さんの活躍は清々しい。舞さんが歳を重ねていったらどうなるのでしょうか。家庭を持ち、子どもを育てながら仕事で活躍する舞さんがみたいものです。「彼岸花」では舞さんが出てこないなと思ったら、ちらっと出てきて存在感を示しましたね。こんな登場の仕方もあったのか!
読了日:03月21日 著者:池井戸 潤
八月の銀の雪八月の銀の雪感想
本屋大賞ノミネート作品。表題作含む5短編。「八月の雪」それも「銀」?理学の専門を生かした内容も。派手ではないが、しっとりと心に迫る作品ばかり。私が今まで知らなかった部分に触れることができた。表題作は、「大丈夫?」とヒヤヒヤしながら読んでいたが、グエンさんとの関わりで救われた。にしても、地球の内部はどうなっているのだろう。「銀の雪」見れたらいいのに。あとの作品の登場人物も素晴らしい人が次々に出て「クジラ」の絵も、「玻璃」も見たくなる。「アルノー」をよく探したものだ。心温まりました。
読了日:03月19日 著者:伊与原新
滅びの前のシャングリラ滅びの前のシャングリラ感想
本屋大賞ノミネート作。地球滅亡直前!の物語。すごい設定だ。あと1ヶ月をどう過ごすか?どう過ごすのだろう?店を襲い食料など生活物資を盗る?人を殺しても平気?一体どうなるのだろう。暴力を振るわれていても最後はあの人と?最後誰と過ごして、何をしたいか。自分と関わる人に何ができるか?誰かのために何かできるか?しようとするか?命ある限り、とはよく言うが、いざとなったときに自分はどうするのだろう?暴力的な場面も多々登場するものの、いろいろ考えさせられた。
読了日:03月13日 著者:凪良ゆう
コロナと潜水服コロナと潜水服感想
今の新型コロナウィルス感染症がどのように作品に描かれるのか楽しみに読み始める。5短編集。どこかの国でそんな潜水服を着て歩いている人の姿がテレビで流れていたので、気になる。コロナの危険性を教えてくれるような海彦くんのような存在がいれば、早く終焉するかもしれない。潜水服を着なくてもいい時期に早くなってほしい。どの短編も見えない力で動く人物・霊の登場に和ませてくれた。「パンダに乗って」みたいに旅ができたらいいね。人の持つ願いをどう実現させるか、自らの手でか、誰かの手でか?
読了日:03月07日 著者:奥田 英朗
火の鳥 1・黎明編火の鳥 1・黎明編感想
久しぶりに手塚治虫。2009年朝日新聞出版から初版、20年11刷に。作中にアトム?やおそ松くんなど他のキャラクターもちらっと出ていたり、楽しみながら作り上げているようだ。呪文の言葉もことわざを逆から読んだものだったりと、いろいろ発見かできた。古代日本史を描きながら、戦争の悲惨さやそこに巻き込まれた兵隊の苦悩、命がどれだけ大切なものか、そんな中でも「水は血よりも大切」と環境保護をも呼びかけているようだ。改めて中身の濃さを知った黎明期だった。
読了日:03月07日 著者:手塚 治虫
自転しながら公転する自転しながら公転する感想
本屋大賞ノミネート作品なので読む。えっ?と思ったタイトル。これを人に当ててみると、また面白いものなのかも。読み終わって、プロローグを読み返す。終盤からエピローグの展開もあっと言ってしまった。主人公の都の仕事、生き方、家族友人との関わり。貫一との関係にじれったさを感じつつも、友人から助言を聞いたり、同僚の声を聞く都かいい。熱海での「貫一お宮」のシーンは泣き笑い。長い本だったが、楽しめた。自分で色々悩み、落ち込み、また喜びながら自転し、誰かや何かにを中心に大きく公転しながら人生をみんな送ってるんですね。
読了日:03月04日 著者:山本文緒
羊は安らかに草を食み羊は安らかに草を食み感想
発刊後1ヶ月で読め、これほど感動を覚えた本も今までなかったのでは。満州での過酷な体験を織り込みながら、生きながらえて帰国した女性の物語。認知症になった妻への夫の思いやり。友とともに過去をめぐる旅をしながら、自らの人生を振り返る同世代の女性たち。80歳で仲良く旅ができる仲間がいて、益恵さんも幸せな人だ。いやその幸せな生活を過ごすまでの人生がどれほど大変なものだったか、涙なしには読み進められなかった。歴史の教科書ではわかり得ないことだ。このような小説が広く多くの人に読んでもらいたいものだ。
読了日:02月24日 著者:宇佐美まこと
推し、燃ゆ推し、燃ゆ感想
この本で初めて「推し」という言葉に出会った。勉強ができないとは言うものの、アイドルを推すことに精一杯生きているあかりの姿がいじらしい。好きなアイドルをグループの中で中心になるようにグッズを買いまくり投票する。こんなことができたらいよいよ熱が高まっていくだろうね。そんなアイドルが不祥事を起こして、炎上する中でも支えようとするあかりの一途さ。なのに突然の解散、引退をされると、推して来たものの喪失感は大きいね。「背骨を失う」とは!
読了日:02月20日 著者:宇佐見りん
オルタネートオルタネート感想
LINEのような高校生限定のアプリ「オルタネート」。思いを話し合ったり、マッチングに利用したり。 新見蓉の調理部員として先輩とそして次には後輩とワンポーションという高校生料理対決に臨む場面が、一番よかった。その対決の中に示されるテーマでよくイメージできるものだ。それを料理に生かすというのだから。面白そうな番組だ。出版から2ヶ月で5刷というのも、作者がNEWSというだけでなく、若者の感性や料理対決番組の様子、そこで蓉の心の動きをうまく描いているからだ。父親もそのように記憶を呼び戻されると嬉しい限りだ。
読了日:02月18日 著者:加藤シゲアキ
この本を盗む者は【電子特典付き】 (角川書店単行本)この本を盗む者は【電子特典付き】 (角川書店単行本)感想
書物の蒐集家の御倉館で起きる不思議な話。本が盗まれて以来、閉館された。本への興味がない深冬は、館を守るひるね叔母を訪ねるあたりから物語が動いていく。5話で構成され、蔵書に仕掛けられた呪い?から盗んだ者が捕まるまで、その本の世界に迷い込んでしまう。深冬は真白とともに切りをつけていく。読書は物語の中に我が身をも導いてくれる。その様子が本書でもあるようだが、その呪いは誰がどのように仕組み、なぜ狐、深冬は現実世界に戻れるのか、最後まで楽しめる。
読了日:02月14日 著者:深緑 野分
晴れ、時々くらげを呼ぶ晴れ、時々くらげを呼ぶ感想
クラゲを呼んで降らす?!何とも変わったことを思い立ったものだ。世の中の理不尽に対してテロを起こそうと。小崎のクラゲ乞いに付き合うことで、同じ図書委員の越前亨の亡父への心のわだかまりがしだいに解けていくのが楽しめた。小説のタイトルもよく出てきて、またそんな本に巡り会えたらいいなとも思った。それにしてもクラゲの世界も未知なものも多そうだ。不老不死のクラゲもいるようだ。わだかまりが最後になって一気に解かれていった。何かに打ち込む姿は人を成長させるね。亨もいい作家になってゆくのだろう。
読了日:02月09日 著者:鯨井あめ
52ヘルツのクジラたち52ヘルツのクジラたち感想
タイトルに?そういう周波数のクジラがいるという。人の可聴域は20Hz〜20kHzだそうだから、52Hzはなんとか聞こえそうだが。アンさんにキナコと呼ばれた貴瑚。親の愛情どころか辛い過去を抱えたまま、アンさんや友達に救われた。キナコも自立できかけた。自分以外の人は自分を救ってくれる存在でもあるが逆の場合も。そんな自分も人のために何かしようとすると強くなれるものだ。声掛けや共に考えてくれる人によりさらに強く。耳を澄まさないと聞こえない声を聞き取り、海の底でもがきつつ光を見ようとする貴瑚らを応援していたい。
読了日:02月04日 著者:町田そのこ
犬がいた季節犬がいた季節感想
本屋大賞ノミネート作品ということで読む。感動の涙が、何箇所も。特に最後は一段と。こんな犬を中心に和やかに過ごせる学校があればいいだろうな。生徒もそれぞれ部活動や勉強にも一生懸命にやって、それぞれの道を切り開いていく。コーシローの会なんて犬の世話をする生徒たちがいる。いいその前に「命を預かる」大切さを説きながら学校で飼うことを許す校長の度量の大きさもすごい。12年間に及ぶコーシローに関わる生徒たちの物語。「迷ったときに戻る場所」は永遠に残る。HOWEVER!
読了日:01月31日 著者:伊吹有喜
きのうのオレンジ (集英社文芸単行本)きのうのオレンジ (集英社文芸単行本)感想
笹本遼賀、テレビのチャンネルの5のボタンのようだと、表現されていた。特別の働きがあるわけではないが、小さな突起があることで周りを活かせる。運動も勉強も目立つことない彼だが、迷ったときに頼りになる存在。人のために思いやりを持っていろいろ尽くせる人。いいね。感動作品だった。交友、仕事、病気そして家族。遼賀が周りに恵まれたのも彼の人柄、相手を認め大切にすることで、その人もまた力を発揮できるのだろう。恭平、バイトの高那、泉、皆遼賀にいつまでも生かされる、いや遼賀を生かせて行くだろう。
読了日:01月27日 著者:藤岡陽子
我々は、みな孤独である我々は、みな孤独である感想
探偵への依頼も依頼なら、それを調べようとする探偵も探偵だ。輪廻転生、人は生まれ変わるとよく言うか。変わった小説。江戸時代の自分が何をやってたか?そんなことが自分の中で描き出されていけば、気が気ではない。茶畑探偵もよく探っていったものだ。彼をチャバと呼ぶやくざの丹野も、酷いことをやらかすものだ。最後にその丹野の正体は・・・。彼をチャバは・・・!そんなことすると茶畑の未来は・・?自分はどこから来てどこへ行くのだろう?
読了日:01月24日 著者:貴志祐介
英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ感想
植物に関連して130の質問と答え、そして挿画がまたきれいな本だった。植物が生きるために進化をしながら、根を伸ばし、繁殖のために虫を呼び込み、来てもらっては困るものに対しては棘やコーティングで我が身を守ろうとする。この本も青山美智子「お探し物は図書室まで」の中に出てきていたので、出会うことができた。水の少ない砂漠での植物の生き方! 夜に光合成を行う?体の中に取り入れてから?植物それぞれが自分の置かれた環境に適した生きる方法を身につけている。
読了日:01月19日 著者:ガイ・バーター
月のとびら月のとびら感想
「お探し物は図書室まで」で、その紹介を受けて生き方が変わっていく人が描かれていたのがきっかけ。占いや伝承など世界の中で、宗教の違いで、月にまつわる話題がいっぱい。運が悪かったと気持ちを切り替えていく、という「運」という言葉の使い方。「亡くなった人」というが、「あなたの持ち物ではない」。死者だけのもの。その方と一緒に過ごしてきたことに思いを馳せよう、と。占いは気持ちを切り替えるためのもので、囚われてはいけない。未来、人の思いなど自分でどうすることもできないものにとらわれないこと、と
読了日:01月17日 著者:石井ゆかり
「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言感想
イトカワから微粒子を持ち帰った「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーからの思考法。普段、私達がしている発想ではできないことをやるにはいろんな力が必要だ。科学技術力もさることながら、本書を読んでその発想の違いを感じた。諦めるのではなく出来そうなことを考える。減 点法ではなく積み上げ点で。みんなと同じではなく違う発想を大事にする。チェック方式だけで万全と思わない。未知の分野に挑むには「変人」のような発想も大切としてコペルニクスや電気炊飯器のことも取り上げられていた。
読了日:01月15日 著者:川口淳一郎
スワンスワン感想
ショッピングセンターで、複数犯による無差別殺人事件、手作り銃、おぞましい事件だ。亡くなった人やその遺族、なんとか生き延びた人も、その後に大きな苦しみをいだき続ける。片岡いずみのように犯人に脅され、殺害順を指定しろなんて言われたら、その精神的苦痛はとても耐えられない。私はどうするだろう。生成逃げ隠れするくらいしかできない。いずみの立場に追い詰められたら?事件後の遺族からの仕打ち、社会的制裁?犯人でもないのに非難されるのか?私には厳しすぎついていけない内容。
読了日:01月14日 著者:呉 勝浩
わたしが消えるわたしが消える感想
私はどうやって消えていく?。軽度認知障碍と認定された元刑事・藤巻が、しだいに自分のことをわからなくなっていくのかな?が最初。娘の仕事先の施設で介護して行き始めた「門前さん」の出現から話が興味深くなってきた。巻末の乱歩賞審査員の厳しい講評とはいえ私には、面白い展開だった。認知が進行する前にできることをやってみようと、刑事の感を働かせながら「門前さん」を探る姿は素晴らしい。一方で地位をあげようと他人を利用する人間もいる。よく知らない人でも一緒にいて互いに生きる支えになる人もいる。
読了日:01月08日 著者:佐野広実
読書メーター

12月読書記録~7冊/1760頁

10 1月

12月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1760
ナイス数:282

ヴィクトリアン・ホテルヴィクトリアン・ホテル感想
超高級ホテルに集う人々の姿、人生が楽しかった。客室数が300近くもあれば、いろんな人もいるものだ。ホテルの中だけでこれほど楽しい物語が描けるなんて。でも、私はいつ頃から迷い込んでいたんだろう。女優に惹かれたから?新人作家の活躍が気になったから?スリの行方が気になったから?それとも・・・。終末になって、本編に描かれた内容は数十年のときが折り重なっていたなんて。そしてそして、あの人は、この人と・・・。何ということだ。ホテル最後の夜に、夢でも見てたようだ。
読了日:12月29日 著者:下村 敦史
最初の質問 (講談社の創作絵本)最初の質問 (講談社の創作絵本)感想
この本の最初の質問。「今日、あなたは知らない空を見上げましたか。」毎日のように見上げている空。わずかに見える青空もあった。でもそれを夜に思い出しているだろうか。「『うつくしい』と、/あなたがためらわずに言えるものは何ですか。/好きな花を七つ、あげられますか。」はて、なんと答えよう?この絵本にはこのような問いかけが次々に出てくる。ページをめくって、質問に出会って答えるのに時間がかかる。読むたびに手が止まり、読むたびに答えも変わっていきそうだ。それでよいのだろうが、何気なく過ごしている自分に驚いてしまう。
読了日:12月28日 著者:長田 弘,いせ ひでこ
赤と青とエスキース赤と青とエスキース感想
いいね。こいう物語は好きだ。エスキースって初めて知った。「下絵」。オーストラリで描かれた「エスキース」がこの物語の「エスキース」。4つの章のタイトル?って思ってたけど、なるほどこうなるんだ。バラバラに思えた各章も、ものだけにとどまらず、全てがつながっていた。下絵からさらに完成されたものに作り上げられていくのが普通なのだろう。私達もいくつもの段階で自分の人生のエスキースを描いてきて、次第に右へ左へ前や時には後ろに揺れながら今を描いている。さてこれからどんなふうに仕上げようか。
読了日:12月21日 著者:青山 美智子
ミカエルの鼓動 (文春e-book)ミカエルの鼓動 (文春e-book)感想
AIとかロボットとか、進歩は目覚ましい。外科手術用ロボットのミカエルとその扱いの第一人者・西條の物語。最小限の切開でロボットを動かし、拡大して見ながら手術が行えれば、多くの患者が救われそうだ。そんな西條の前にドイツから真木が入ったことで、物語は一気に不安に包まれ始める。ロボットを使うのか、外科医の手だけに頼るのか。医療の発展と病院の発展、患者の命をどう救うのか。医師のプライドと救命のための最善の方法は?生きるとは?向日葵の種は偉大だった。
読了日:12月18日 著者:柚月 裕子
母親からの小包はなぜこんなにダサいのか母親からの小包はなぜこんなにダサいのか感想
中に出てくる母親からの小包はたしかにダサいものだった。でもこの6編の話はみんな素晴らしく感動するものだった。我が家でもよく子どもたちに小包をするが、これに近いようなところもある。「最後の小包」なんかは弓香さんとともに涙を流すしかなかった。送られてくるものは、大したものではないけれど、そのものへの思い出やお母さんの気持ちまでが、小さな箱に一緒に詰められている。タイトルを見たときは「えぇーっ!」て思ったけど、読んでよかった。
読了日:12月14日 著者:原田ひ香
オーラの発表会オーラの発表会感想
海松子のちょっと変わった生き方。人の特徴から密かにニックネームをつけて、自分の中だけで楽しんでいるふうでもある。友達はいないというが、「ものまね師」萌音がいつもそばにいてくれ、海松子の相談に乗ってくれたりアドバイスをしてくれたり、頼りになる存在だ。メニューの分析力とか、臭覚の敏感さを生かす仕事が向いてるのではないかと思う。教員は厳しい。一人凧揚げが好きなんて、面白いね。友達と一緒でなくても楽しめるものがあるのは強い。そんな海松子に想いを寄せてくれる人もいるのだから、嬉しいね。
読了日:12月12日 著者:綿矢 りさ
川のほとりで羽化するぼくら川のほとりで羽化するぼくら感想
川にかかる一つの橋を巡る4短編。「わたれない」は子育てを始めた主夫。今の働き方改革か。わからないことばかりの子育てにアドバイスをもらえるのに、ひょんな事から橋が渡れなくなる。「ながれゆく」の天の川にかかる橋でこれほどの物語が作り出せるなんてすごい。「ゆれながら」未来の人間社会! 性の快楽と子孫繁栄。「ひかるほし」高齢者問題。家や土地を守ると言っても認知症になってしまえばどうにもならなくなる。各短編から今の自分の立場や意識を変える勇気を持てば、生き方も変わっていくのだと感じた。
読了日:12月04日 著者:彩瀬 まる
読書メーター

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