5月の読書記録。「蔦屋」が面白かった!

16 9月

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3116ページ
ナイス数:356ナイス

居酒屋ぼったくり居酒屋ぼったくり感想
いいですね、このお店の名前、「ぼったくり」。タイトルを見た時にはどんなに恐ろしい店なのだろうと思った。だが名前の由来などがわかり、店の女主人美音。この巻末になってやっと美音の由来もわかってくるが、なるほどである。各章ごとに出てくる料理を作る様子から美味しい音が聞こえてきそうで、カウンターで一緒に食べたり飲んだりしたくなってしまいます。時々訪れていた男性客の様子も次第にわかってきて、この居酒屋の物語の要になっていきそうな予感さえしてきます。また次の巻も読みたいものです。
読了日:5月28日 著者:秋川滝美
ごはんぐるりごはんぐるり感想
読書メーターのある人の感想の中にこの本のことを、三浦しをんさんに劣らないエッセーの面白さというふうに書いてあった。かつて読んだ「ふくわらい」「サラバ!」などからすると、「へーそうなの?」と半分疑りながら手にした。私にとってはしをんさんのエッセーほどお腹を抱えて笑うということはなかったが、なかなかどうして西さんも強者だ!西加奈子さんの今までのイメージを大きく変えてくれる1冊であった。ラーメン・うどんの作法、軽井沢の蕎麦屋に友達と行く時の車中での作法、なかなか真似できません。参りました!
読了日:5月25日 著者:西加奈子
11文字の殺人 (光文社文庫)11文字の殺人 (光文社文庫)感想
タイトルはいつ出てくるのかとずっと気になっていた。終わりの方になってやっとタイトルに関わる言葉が出てきた。ミステリーだから犯人は予想を超えるものということはわかっていながらも、予想は次々に裏切られていく。これが面白さなんだろうね。推理作家の主人公もなかなか犯人確定まで時間がかかったのだから、その作家を翻弄させる東野という作家もすごいものだ。
読了日:5月23日 著者:東野圭吾
あうんの花あうんの花感想
坂村真民さんの心の詩にそれぞれに合わせて絵が描かれている。「闇と苦」では「闇を生かせ/苦を生かせ」と。苦しみを無くしたいと思いがちだが、生かせというのがいいですね。また「いつもいっしょ」からは、人間はもちろん森羅万象がいつもいっしょに生き、息をしてると。一人のようでも一人ではないんだと。花や鳥、木や石も友とすると寂しさもなくなる。「心を結ぶものは愛」見方考え方をちょっと変えると心も豊かになれそう。
読了日:5月19日 著者:坂村真民
王妃の館〈下〉王妃の館〈下〉感想
とんでもない事態になるんではないかと心配していたポジとネガのツアー。案の定ことごとくバレてしまったがなんと意外な方向に。苦悩を抱えて最後の旅でもあった人たちにも太陽の恵みか。いやいや自らが明るく生きようとした結果なんだろう。ヴェルサイユ宮殿や絶対王政で知られるルイ14世が建てた王妃の館へのツアーと作品内で描かれる大作家右京さんのプチ・ルイと14世の親子の情との物語とのギャップもあり、面白く読んだ。「どんなに苦しくても笑って生きろ」という元夜間高校の先生の言葉と太陽王が印象に残る。
読了日:5月19日 著者:浅田次郎
王妃の館〈上〉王妃の館〈上〉感想
映画化と聞きまた浅田次郎ということで読む。光ツアーと影ツアーなんてよく思いついたものだ。ツアーの行方が気になる。ニアミスも生じ始めるし、添乗員の綱渡り的な計画が面白い。後半になって太陽王が登場してこれまた面白さを倍加させてくれる。コマンタレ・ブー!だって?そんなのありなんて思ってたら、「幸福と不幸は神様がコントロールしてるわけじゃないわ。人間が選んでいるわけでもない。ひとりひとりが、幸か不幸かを勝手に決めているだけ」などと玲子の言葉が人生を考えさせてくれる。浅田次郎さん、いいですね。
読了日:5月17日 著者:浅田次郎
蔦屋蔦屋感想
面白かった。TSUTAYAの名前の由来にもなっている蔦屋とは、この小説で初めて知った。江戸時代寛政の改革で出版もかなり厳しく統制された中を生き抜いた蔦屋重三郎が生き生きと描かれている。歌麿、山東京伝、写楽などを世に送り出した人物でもあることも知ることができた。松平定信の出版規制の中でもなんとか人々の求めるものを出版し続けようと処罰を受け身代が半ぶんに成ってもやり続けようとした姿に心打たれた。大芝居にはホッとしたが、形あるものでなくとも重三郎に大きな影響を与えたという小兵衛の生き方も素敵だった。
読了日:5月13日 著者:谷津矢車
有機栽培の野菜つくり―炭水化物優先、ミネラル優先の育て方 (小祝政明の実践講座)有機栽培の野菜つくり―炭水化物優先、ミネラル優先の育て方 (小祝政明の実践講座)感想
野菜のタイプにより肥料の施し方などに違いがあること、ミネラルの大切さなどが説明されていた。今まで農業や野菜作りなど、ましてや肥料などにあまり関心を持っていなかったので、サラッと読んだだけでは身につかない。手元においたほうが良さそうだが。少しずつ勉強をさせてもらおう。
読了日:5月11日 著者:小祝政明
さよならの手口 (文春文庫)さよならの手口 (文春文庫)感想
探偵を廃業したと言いつつまたまた探偵の仕事に精を出す葉村晶。時々ずっこけながらも次々に事件の匂いを呼び寄せてくる。それらが匂いで終わらずに次第に結びついていく。ミステリー書店の店員ということもありミステリーの好きな人にはいろんな作品名も登場してくるので楽しみなのではないでしょうか。捜索人が意外な所から出てきて、最後はあっという結末。次回は書店の上からの活躍になるのかな?親子の絆は大切にしたいね。探偵業に届けがいると脅されながらそんな簡単に取得できるものだったとは。
読了日:5月9日 著者:若竹七海
屍者の帝国屍者の帝国感想
タイトルとその謳い文句に乗って借りて読む。どんな恐ろしい帝国なのかと思ったが、私の情報処理能力を遥かに超えていて理解不能。ワトソン博士、フライデー、フランケンシュタイン、カラマーゾフ、寺島宗則、バトラーなど、実在や小説主人公など多数登場するが自分の解析計算力では覚束ない。作者の脳内にはどんなチップが埋め込まれているのだろうか。日本では各地で人口減少ストップの掛け声が上がっているが、屍者の脳にチップを埋め込み活かせたら人口は増えるがどんな世界になるだろう?考えるだけでゾッとする。
読了日:5月1日 著者:伊藤計劃,円城塔

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